サンルームとは、ガラス窓に覆われながら庭先にせり出したスペースのことです。
日差しを取り込んで、洗濯物を干したり、植物を育てる場所として使われており、そのオシャレな空間から現在人気となっています。
サンルームはオシャレで実用的な一方で、庭先にせり出しているため、破損の可能性は充分考えられます。
全体もガラス素材で作られている部分が多いため、雪や台風などの影響を受けやすい側面もあります。
そのため、雨漏りが発生しやすい場所であるとも言えます。
そこでこちらの記事では、サンルームの雨漏りについてその原因や修理方法について詳しく解説をしていきます。
Contents
サンルームの特徴について

サンルームは、周りをすべてガラス窓などの透明な素材で覆われたスペースです。
基礎部分はコンクリートで工事をしてあるため、水密性・気密性も高く、日光を取り入れながら快適に過ごせる空間となっています。
サンルームの屋根の主な素材は、ポリカーボネートでクリアな「透明タイプ」や、「磨りガラス調」、特殊なコーティングで熱による室内温度の上昇を防ぐ「熱線吸収タイプ」などがあります。
また夏の暑さを防ぐために日よけがついているタイプもあり、インテリアに合わせて自由に空間を設計することができます。
サンルームで使用される素材の特徴について
では、サンルームで使用されることの多い「ガラス」「アクリル樹脂板」「ポリカーボネート板」の特徴を見ていきましょう。
ガラス
- 透明度が高い
- 硬質で傷が付きにくい
- 柔軟性がなく、衝撃に弱い
- 重量は比較的重い
アクリル樹脂板
- 耐久性が高く、ガラスの代用として用いられる
- ガラスと比較すると、傷が付きやすい
- 比重はガラスの約半分
ポリカーボネイト板
- 耐久性が強く、ガラスの代用として用いられる
- 材質は柔軟で曲面でも利用可能
- ガラスと比較すると、傷が付きやすい
- 比重はガラスの約半分
それぞれにメリット、デメリットがありますが、耐久性を考えるとポリカーボネート板が最も使用しやすいと言えます。
ガラスは重量が重く、衝撃に弱い素材ですが、光沢がありサンルームを綺麗に見せることができます。
サンルームの雨漏りの原因について

では、サンルームの雨漏りの原因について解説をしていきます。
雨漏りの原因としては主に2つ挙げられます。
サンルームの施工不良
1つは、施工不良です。
大半がガラス窓になっているサンルームは、ガラス同士をコーキング材で繋ぎ合わせて作られています。
パネル同士をつなぎ合わせる箇所が多くなる分、コーキング部分の施工不良による雨漏りが起こりやすくなります。
また、コーキングでなく金属で接合されている場合もあります。
金属は温度変化によって伸び縮みするため、日当たりや気温によってつなぎ目に負担がかかります。
その結果、隙間があいて雨漏りに繋がることがあります。
コーキング材の劣化
2つ目は、コーキング材の劣化です。
コーキング材は、5年〜10年で劣化し始め、縮んだりヒビ割れといった症状が見られるようになります。
施工に問題がない場合でも、コーキング材が劣化して隙間ができると、そこから雨水が侵入してしまうのです。
また、降雪地域では屋根に積もった雪の重みでサンルームが壊れることもあります。
降雪地域に住んでいる人は、積雪対応のサンルームを選ぶことをおすすめします。
サンルームの修理の費用相場

それでは、サンルームの雨漏り修理について解説していきます。
また、雨漏りでなくてもサンルームのパネル自体を交換する場合、屋根全体を交換する場合の金額も参考として乗せておきます。
工事内容や範囲によって金額は変わりますので、あくまで参考値としてお考えください。
雨漏り
雨漏りの場合は、コーキング材の補修もしくは、雨漏りがひどい場合にはサンルームの下地まで修理をする必要があります。
工事内容 | 工事相場 |
コーキング材の補修 |
5万~10万円 |
サンルームの下地まで修理 | 25万円~ |
パネル
パネルは取り付けや交換等で値段が異なります。
自然災害等で全損となってしまった場合は、100万円以上の金額が掛かることもあります。
工事内容 | 工事相場 |
パネルの取付け |
5千円~ |
パネル割れや変形による応急処置 | 5千円~ |
パネル交換 | 10万円~20万円 |
全体破損・倒壊による全体交換 | 30万円~100万円 |
屋根材
また、サンルームの屋根の修理は、ポリカーボネイト板の場合、交換が一枚につき約25,000円程度です。
また、足場を組んで作業が必要となった場合は、さらに金額が上がります。
工事内容 | 工事相場 |
ポリカーボネイト板 |
2.5万円~ |
サンルームをDIYで修理できるのか?
ここまでサンルームの雨漏り修理について解説をしてきました。
そこで、DIYで修理できるのではないか?と思われた方もいらっしゃると思いますので、DIYについても解説します。
サンルームはおそらく家の屋根のように構造が複雑には出来ていないため、コーキングやパネルの交換であればDIYで修復が出来そうに見えます。
しかし、実はサンルームは雨漏りの原因となる箇所がとても多く、発生箇所の特定が容易ではありません。
そのため、どこを修理すべきかを判断するのが非常に難しいです。
また、コーキング材にも適切な使用方法があるため、ヒビ割れの原因や箇所にきちんと合ったものを選ぶ必要があります。
以上のことから、DIYでの修復は可能ではありますが、あまりおススメは出来ません。
もし雨漏り箇所の特定が容易であれば、コーキング材などで修復しても問題ありません。
ただし、あくまで応急処置としてとらえ、根本的な解決は修理業者に依頼する方が安心です。
また、DIYでは数多くの注意点があるため、次章でまとめていきます。
DIYでの注意点

こちらではDIYの注意点について解説をしていきます。
危険が伴う
最も大きなデメリットは、危険が伴う作業であることです。
特に高所で作業する場合は、落下の可能性が考えられます。
そのため、修理の際にはできる限りの安全対策を施してから作業を行いましょう。
はしごや脚立を支えてもらうために、最低2名以上で作業することや、安全靴やヘルメットなどの防具も準備できると尚よいです。
安全に作業できることが一番ですので、しっかりと注意しましょう。
仕上がりが不十分になることがある
サンルームの修理は、作業前に破損箇所の撤去や掃除、下地処理などの工程が必要になります。
DIYに慣れていれば問題ない作業ですが、もし不慣れのまま作業を行ってしまうと、仕上がりにムラができてしまい、不十分な仕上がりになる可能性があります。
コーキング材がうまく塗布できず何度も雨漏りが発生してしまったり、パネルがうまくはまらずにズレた状態になってしまうなど、仕上がりにムラがあると、かえって新たなトラブルの引き金にもなりかねません。
再度修理を依頼する必要が出てきてしまうため、無理は決してしないようにしましょう。
補償がない
万が一DIYで失敗してしまったとしても、補償はありません。
専門業者であれば、万が一の時には補償がつきますが、自分で行った場合には補償は一切なく、時間もお金も無駄になってしまいます。
少しでも難しい作業が必要な場合は、専門業者に依頼した方が確実ですね。
サンルーム修理も火災保険の対象となる
ここまで、サンルーム修理について良くある修理事例やDIYでの修理方法について解説をしてきました。
しかし、もしサンルームの損傷が台風や強風の自然災害によるものであれば、火災保険を使って修理できる可能性があります。
ただし、すべてのケースで火災保険が適用されるわけではなく、以下のような条件があります。
- 風災、雪災、雹災の被害であること
- 修理費用が20万円以上
- 被害発生後3年以内であること
- サンルーム等が契約書の保険適用対象になっていること
上記の条件を満たす場合であれば、火災保険が適用される可能性があります。
特に、屋根が火災保険の対象になっているかは、加入している火災保険の内容によって異なりますので、保障内容を確認するか保険会社に問い合わせてみましょう。
また、火災保険が適用されるかは保険会社の判断です。
保険が下りることを見越して工事をしてしまうと、適用外であった場合にすべて自己負担となってしまいます。
まとめ
今回はサンルームの雨漏りについて解説をしてきました。
サンルームはオシャレな空間として人気のある場所ですが、雨漏りの可能性も高い場所です。
また、一度雨漏りが起きてしまうとなかなか原因が特定できません。
せっかくのサンルームが雨漏りしていると、快適に過ごすことができませんので、ぜひ雨漏りを見つけたら修理業者に相談をしてみてください。
DIYの修理も可能ですが、注意点も多くあるため、安全に気をつけながら作業するようにしましょう。
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