天窓からの雨漏りの対処方法とは?原因や修理方法について詳しく解説

天窓

戸建て住宅には外から光を取り込むために、天窓をつけている方も多いのではないでしょか。
自然光を取り入れることで、より快適な生活を送ることができるようになります。
しかし、この天窓にトラブルがあると雨漏りが発生してしまうことがあります。
雨漏りと聞くと屋根や天井から水が滴り落ちてくるイメージですが、この天窓からも雨漏りは発生しやすいです。
こちらの記事では、この天窓からの雨漏りについて詳しく説明し、その対処方法に付いて解説をしていきます。
ぜひ参考にしてください。

天窓の役割とは?

天窓

まず天窓の役割について解説をしていきます。

日中の光を屋内に取り込む

天窓の役割として最も大きいのが、採光を取り込み、その光が奥まで届くことです。
住宅の採光は、建築基準法で開口部の有効面積は居室の床面積の7分の1以上とされています。採光方法としては壁窓が最も身近なものですが、周辺の住宅事情によっては十分に光を取り入れることができません。
例えば北向きの住居は光が入りにくく、薄暗く感じることもあります。

この問題を解決できるのが、天窓です。
天窓を設置することで、昼間はほぼ一定量の光を取り入れることが可能となります。
この天窓の開口部に関しても、建築基準法で規定がされており、天窓からの採光はカベ窓の約3倍の量が期待されています。

風通しが良くなる

天窓のもう一つの役割は、風通しがよくなる点です。
天窓は「固定式」と「開閉式」の2つのタイプがあります。
前者は「フィックス式」とも呼ばれ、採光のみの役割を持っていますが、後者は開閉することで換気をすることができます。

空気が温まると上へ登る性質があり、空気の循環を良くするためには開閉式の天窓がおススメです。
換気をすることで空気の流れがよくなり、室温が下がる効果もあるため、夏場は快適に過ごすことができます。

インテリアとしての役割

天窓は光を取り入れることや、空気の循環を良くするなどの役割がありますが、インテリアとして取り入れる住宅も多いです。
光を取り込むことで部屋を明るく照らす役割や、家の中から空の様子を眺めることができます。
生活に直結する役割だけでなく、住宅として気持ちよく過ごすためのゆとりを与えてくれるのも、この天窓の役割です。

天窓での雨漏りの原因について

室内の雨漏りに悩む

天窓は快適に生活する上で多くの役割を持っていることがわかりましたが、一方で雨漏りの相談が多い箇所でもあります。
こちらでは、天窓からの雨漏りについて解説をしていきます。

ゴムパッキンやシーリング材の劣化

まずは、ガラスと屋根の隙間を埋めているゴムパッキンやシーリング材の劣化です。
特に開閉式の天窓であれば、合わせ部分のパッキンが劣化することで雨漏りが発生します。
隙間がわずかにでもできてしまうと、雨水が室内に侵入し、壁等に浸透していきます。
これが徐々に増えていくと、最終的に壁紙がはがれたり、カビや腐食に繋がってしまいます。
特にシーリング材はガラスや枠よりも寿命が短く、10年ほどで劣化をしてしまいます。
そのため、メンテナンスは定期的に行う必要がある場所です。

天窓周りの経年劣化

天窓の周りは、防水紙や板金によって周りが補修されていますが、この補修が十分でないケースや経年劣化によっても雨漏りは発生してしまいます。
天窓を設置して10年程度が過ぎている場合は、防水紙や板金の劣化が考えられます。
しかし、設置してから数年で雨漏りのような現象が発生した場合は、施工不良の可能性が考えられます。
施工不良が疑われる場合は、直ぐに業者に連絡をして対応してもらうようにしましょう。

ゴミや落ち葉による詰まり

天窓は雨漏りのリスクが高いところであるため、対策を十分にした構造になっています。
しかし、対策を充分にしていても、予想外に天窓の周りにゴミや落ち葉が溜まり、雨水が充分に流れなくなってしまうことがあります。
この場合、溜まった雨水が板金内部に入り込み、オーバーフロー現象と呼ばれる現象が発生します。
内部に雨水が入り込むと、徐々に下地に浸透し、腐食に繋がります。
このような状態にならないためにも、定期的な清掃が必要となります。
清掃だけであれば自分で行うことも可能ですが、症状が進行している場合は工事が必要になることもあるため、業者に依頼してメンテナンスを行ってもらう方が安心です。

雨漏りでなく結露の可能性もある

天窓から雨水が落ちてくると雨漏りを疑いますが、実は結露であったという可能性もあります。
天窓は結露が発生しやすいため、結露で発生した水分を雨漏りと勘違いしてしまうケースがあります。
結露も雨漏りと同じように壁等を傷める原因となるため、対策が必要となります。
こちらは雨漏りとは別に対応をしておきましょう。

天窓の耐用年数とメンテナンスの時期は

天窓修理

ここまで天窓の雨漏りの原因について解説をしてきましたが、経年劣化によって部品が徐々に劣化して雨漏りとなることが多いようです。
そこで、こちらで一般的な天窓の耐用年数とメンテナンス時期について解説をしていきます。

天窓の耐用年数

多くの天窓メーカーの耐用年数は約20年とされています。
そのため、一般的な天窓は20年経過したものは、なるべく早めに交換することをおススメします。
天窓は一気に壊れて雨漏りが発生するという場所ではなく、徐々に劣化が進行していきます。
なかなかタイミングが難しいかもしれませんが、定期的にメンテナンスを行い、思い切って交換することも大切です。
20年以上使用していると、メーカーの製造が終了し、修理が出来なくなるというケースもあるため、天窓自体を交換することも多いようです。
また、天窓だけでなく周りの屋根も同時にメンテナンスをしてもらうことで、雨漏りの早期発見や予防にもつながります。
同時に行うことで、費用を抑えられたりとメリットも多いため、同時に依頼をしてみましょう。

メンテナンスの方法

メンテナンス方法としては、まずパッキンやコーキングの状態チェックです。
これらは10年ほどで劣化が始まるため、状態によってはパッキンの交換やコーキングの充填が必要となります。
また、天窓周りの掃除も重要です。
ゴミや落ち葉がたまっていると、その部分に雨水が溜まってしまうオーバーフロー現象となることがあるため、しっかりと掃除を行いましょう。

自分でのメンテナンスは可能か?

自分でメンテナンス、DIYを行うこと自体は可能ですが、高所作業となるため、安全には充分に注意して行いましょう。
特に屋根の上は滑りやすい場所が多いため、落下の危険性があります。
ヘルメットや安全靴等の準備をしっかりと行ってから作業するようにしましょう。
自分で出来るメンテナンス方法としては、天窓周りのゴミを取り除いたり、天窓の掃除、劣化部分の確認等です。
難しい作業はありませんが、少しでも危険を感じた場合はプロに任せた方が安心です。

天窓の雨漏り修理相場

それでは、天窓の雨漏りの修理相場について解説をしていきます。
こちらは一般的な相場観を記載しているため、あくまで参考程度としてください。
実際の金額は、修理箇所の大きさ、被害状況などから提示されます。
しっかりと複数業者から見積もりをとった上で、工事を依頼するようにしましょう。

天窓の修理費用

 工事内容 工事相場
ゴミつまり 35,000円〜5万円
コーキングの打ち替え 35,000円〜5万円
防水シートの交換 6万円~
水切りエプロン補修 7万円~

天窓の修理には、数万円ほどの金額がかかります。
高所作業となるため危険が伴い、専門技術も必要な工事となるため、このような金額が設定されています。

天窓の交換費用

天窓の交換は、平均して40万円ほどかかります。

天窓の寿命は、一般的に20年ほどであり、耐用年数を超えたものは修理よりも交換がおススメです。
天窓の交換の場合は、足場を設置しての工事が必要となるため、通常の料金に追加して足場の費用が掛かります。
工事日数も前後1日プラスとなるため、事前に考慮しておきましょう。

天窓の修理でも火災保険が使える?

火災保険

さて、天窓から雨漏りが発生した時の修理相場について解説をしてきましたが、思った以上に費用が掛かると思われた方もいらっしゃると思います。
そこで、費用面で助けとなってくれるのが火災保険です。
こちらは、条件を満たせば天窓の修理でも火災保険で修理できる可能性があります。
火災保険は、火災だけでなく自然災害等で建物や家財に被害があった場合にも補償を受けることができます。そのため、屋根修理では、火災保険が適用できる場合があります。
ただし火災保険の内容によって補償内容は異なりますので、具体的な内容については保険条項や保険会社へ確認してください。
まずは、自分が加入している火災保険を確認し、保険会社やハウスメーカーなどに問い合わせてみるとよいでしょう。
火災保険の適用条件としては、以下のような条件があげられます。

  • 風災、雪災、雹災の被害であること
  • 修理費用が20万円以上
  • 被害発生後3年以内であること
  • 屋根が契約書の保険適用対象になっていること

上記の条件を満たす場合であれば、火災保険が適用される可能性があります。
特に、屋根が火災保険の対象になっているかは、加入している火災保険の内容によって異なりますので、保障内容を確認するか保険会社に問い合わせてみましょう。
また、火災保険が適用されるかは保険会社の判断です。
保険が下りることを見越して工事をしてしまうと、適用外であった場合にすべて自己負担となってしまいます。
火災保険を使用して工事を行う場合は、必ず適用が決まってから工事を依頼するようにしましょう。
火災保険に関しては、以下の記事も参考にしてください。
屋根の修理には火災保険が使える?申請方法について詳しく解説

まとめ

今回は、天窓の雨漏りについて詳しく解説をしてきました。
天窓は自宅に明るさを取り入れることができ、快適に過ごすための大きな助けとなってくれるものです。
しかし、雨漏りが発生しやすい場所でもあるため、定期的なメンテナンスは重要となります。
10年に一度はメンテナンスが必要となるため、メンテナンスをしばらく行っていないという方は、これを機会にメンテナンスを依頼してみましょう。
困った点や不安な点は、ぜひ専門の修理業者に相談してみてくださいね!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です