屋根カバー工法とは?屋根修理で用いられる人気の工法について詳しく解説

屋根カバー工法

屋根修理で良く用いられる工法の1つがカバー工法です。
カバー工法は、古い屋根のうえに、新しい屋根材をかぶせる工事方法です。
屋根をすべて交換する葺き替え工法よりも、工期や費用を抑えることができるため、近年人気のリフォーム方法です。

こちらの記事では、屋根カバー工法の施工方法や特徴、向いている屋根材や注意点などについて詳しくお伝えしていきます。
屋根の修理やリフォームを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

屋根カバー工法とは

屋根カバー工法

屋根カバー工法とは、古い屋根のうえに軽い屋根を張ってかぶせる工事方法のことです。
古い屋根をはがして処分する手間と費用がかからないので、工事費用と工事期間を抑えることができます。
一般住宅ではコロニアル(スレート)のうえに軽い金属屋根(ガルバリウム鋼板もしくはエスジーエル鋼板)をかぶせる工事がよくおこなわれています。

屋根カバー工法の手順

それでは、屋根カバー工法の手順について説明をしていきます。

棟板金・貫板を撤去する

棟板金工事

まずは、屋根材の頂上にある棟板金とその下地となる貫板を撤去します。
長年の雨や雪などで水分が浸水し、雨漏りとなることがあるため、工事前に撤去します。
この時、雪止めが設置されている場合は、合わせて撤去します。

防水シートを敷く

防水シート

棟板金・貫板の撤去が終わると、既存の屋根材の上から防水シートを敷きます。
防水シートをしっかりと隙間なく敷くことで、雨の侵入を防ぎます。
屋根修理の上で重要な役割を果たす工程です。

新しい屋根材を敷く

ビス打ち

防水シートをしっかり敷き終われば、新しい屋根材を葺いていきます。
これも軒先側からビスや釘を使って、しっかりと固定します。

棟板金・貫板を設置する

新しい貫板、棟板金を設置します。
貫板は木製のものが一般的ですが、腐食しにくい樹脂製のものも選ばれることがあります。

棟板金にコーキング処理をする

コーキング材

最後に、コーキング処理を行います。
板金同士が重なっている部分から雨水が浸入しないように、隙間ををコーキング材で埋める作業です。

屋根カバー工法のメリット

メリット

カバー工法のメリットを抑えておきましょう。
カバー工法のメリットは下記3点です。

解体作業・廃材のコストを抑えることができる

カバー工法は、既存の屋根の上から新しいカバー材を重ねるため、廃材を処分するコストを抑えることができます。
基本的に屋根の修理は一部や全体を剥がし、そこに新しい屋根材を敷きますが、カバー工法はこの屋根を剥がす工程を削減することができます。

工事期間が短い

カバー工法では、工程が少なくなるため、工期が短くなります。
先ほども少し触れましたが、カバー工法では屋根材を剥がす、撤去する工程を無くすことができます。
そのためコストと共に、作業時間も節約することができます。
また、工期が短くなることで、騒音の問題や近所の方へのストレスを減らすこともできます。

家の断熱性が上がる

家の断熱性が上がることもメリットです。
カバー工法で新しくした屋根は、古い部分と新しい部分の二層構造となります。
そのため、従来の2倍の厚さになることから、断熱性が上がると言えます。

屋根カバー工法のデメリット

デメリット

続いては、屋根カバー工法のデメリットについて解説していきます。

屋根内部の点検ができない

カバー工法は、屋根内部の点検までができない工事です。
新しい屋根材をかぶせる工事であるため、屋根内部の状態を確認することができず、劣化や損傷には気付きづらくなります。
もしも、屋根全体の点検が必要な場合は、別の工法を検討してもよいかもしれません。

今後の修理やリフォームが高額になる

カバー工法で一度工事をすると、以後の工事が複雑となり、修理やリフォームが高額になるばあがあります。
古い屋根の上に新しい屋根材を被せているため、今後修理が必要になった場合は、2枚の屋根材を剥がして修理をしなければなりません。
いつもより二倍の工程や労力が必要となるため、工賃が高額になる可能性は考慮しておきましょう。

使用できる屋根材が限られている

カバー工法では、使用できる屋根材が限定されています。
カバー工法は、新しい屋根材を被せるため、軽い材質のものを使わなければなりません。
そのため、瓦屋根等の重い材質のものは使用できず、理想の屋根にリフォームできない可能性もあります。
依頼する前には、どのような屋根材が使用できるのか事前にリサーチしておいた方が良いでしょう。

耐震性が下がる

カバー工法では、どうしても耐震性の部分は下がってしまいます。
二重構造にするため、できるだけ軽い材質の屋根材を被せますが、屋根の重量は確実に増えてしまいます。
屋根の重量が増えると、地震などの揺れの影響を受けやすくなってしまうため、耐震性が下がってしまいます。
日本は地震大国ですので、家が建っている地盤の固さや、屋根以外の自宅の耐震性を考慮した上で屋根工事を選択しましょう。

カバー工法がおすすめな場面

では、カバー工法がおススメできるのはどのような家でしょうか。
こちらでは3つ紹介していきます。

費用の安さが重要な場合

カバー工法の一番のメリットは、金額を抑えることができる点です。
屋根の修理が必要だけれども、どうしても費用を抑えたいという場合には、カバー工法を選択しましょう。
使用する屋根材も含めて、修理業者に相談しながら、なるべく費用を抑えた工事を選択しましょう。

アスベストが含まれている場合

建築されたのがかなり古い住宅の場合、屋根材にアスベストが含まれていることがあります。
日本中でもかなり問題となっているこのアスベストですが、もし撤去をするとなると別途処理費が掛かってしまいます。
この処理費はかなり高額となるため、処理費を抑えるためにはカバー工法を選ぶことも1つの方法です。
ただし、アスベストはかなり危険であるため、できる限り早急に処理をしてもらうことをおススメします。

転居や解体の予定がある場合

カバー工法を利用すると、次の修理やリフォームが高額になる可能性があります。
そのため、住んでいる住宅を今後、解体や転居の予定がある場合は、一時的な修理としてカバー工事を選ぶと良いでしょう。

カバー工法がおすすめできない場合

注意点

では、次にカバー工法がおススメできないのはどのような家でしょうか。
こちらでは4つ紹介していきます。

屋根から雨漏りの経験がある家の場合

過去に雨漏りがあった家では、カバー工事はおススメしていません。
雨漏りがあった場合は、屋根の下地等に損傷があり、そこから雨漏りが発生していると考えられます。
このような屋根をカバー工法でリフォームしてしまうと、気づかないうちに腐食等が進行する恐れがあります。
そのためカバー工法は、屋根から雨漏りを起こした場合は、カバー工法はおススメ出来ません。

将来的に増改築などの工事予定がある場合

カバー工法は家の重量の増加が発生し、耐震性の低下が起こります。
そのため、地震が多い地域や地盤が強くない場所に建っている家の場合は、おススメ出来ない工法です。
いつ地震が来るかわからない世の中ですので、耐震性には注意した上で工事方法を選びましょう。

スレート屋根や瓦屋根を使いたい場合

カバー工法では、使用できる屋根材が決まっています。
そのため、スレート屋根や瓦屋根はカバー工法では、使用することができません。
もしデザイン性等で、スレート屋根や瓦屋根を希望する場合は、別の工法を選択しましょう。

カバー工法の費用について

ではカバー工法の費用についてまとめます。あくまで一般的な相場であるため、参考値としてお考え下さい。

 工事内容 工事相場
屋根カバー工法 90~110万円
コーキング補修 2~6万円
ブルーシート補修 2~8万円
棟板金の交換  4~15万円

まとめ

ここまでカバー工法について解説をしてきました。
カバー工法は、簡単で費用を安く抑えることができる手法として近年人気の高い修理工法です。
簡単で安い反面、耐震性等の安全面に少し不安が残る工法であるため、しっかりと修理業者と相談しながら工法を選択してください。
もし不安なことがあれば、ぜひご相談ください!

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