屋根が壊れて修理が必要な時、費用と共に掛かるものが日数です。
屋根修理は足場を組み立ててから工事をすることも多いため、足場の組み立て解体まで考えると1週間、長いと1か月程度工事が続く可能性があります。
長い間工事が続くと、近隣の方の迷惑になったり、日常生活に支障が出ることもあります。
屋根修理は必要なことであるため仕方のないことですが、おおよその日程を知っておくことで事前に対策を取ることはできます。
そのため、今回はそれぞれの工事期間についての目安を解説していきます。
これから屋根修理工事をする方はぜひ参考にしてみてください。
費用や金額についてはこちらの記事を参考にしてください。
⇒屋根修理費用はどれくらいかかるのか?相場について詳しく解説
Contents
屋根修理では足場の設置が必要

屋根修理ではほとんどの場合足場を設置して工事する必要があります。
これは、厚生労働省が策定した安全基準法にも下記の通り記載されているため、業者が守らなければいけないルールとして定められています。
労働安全衛生規則(作業床の設置等)第五百十八条
事業者は、高さが二メートル以上の箇所(作業床の端、開口部等を除く。)で作業を行なう場合において墜落により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、足場を組み立てる等の方法によ り作業床を設けなければならない。
2 事業者は、前項の規定により作業床を設けることが困難なときは、防網を張り、労働者に要求性能墜 落制止用器具を使用させる等墜落による労働者の危険を防止するための措置を講じなければならない。
引用元:労働安全衛生規則
足場の工事は組み立てと解体、それぞれ半日から1日程度掛かります。
この足場の工事が完了してから実際の修理に入ります。
足場ついてはこちらの記事を参考にしてください。
⇒屋根修理に足場は必要なのか?足場の必要性や費用相場について詳しく解説
作業内容 | 作業日数 |
足場の組み立て |
半日~1日 |
足場の解体 | 半日~1日 |
屋根の部分修理で掛かる日数
屋根修理は大きく分けると部分修理とリフォーム修理の二つに分けられます。
部分修理はリフォームと比べると、費用や日数がかからない簡単な工事のことを指します。
そのため、長くても数日で完了する工事が多いです。
作業内容 | 作業日数 |
応急処置 |
1日 |
部分補修 | 1日~2日 |
棟の交換 | 1日~2日 |
漆喰詰め | 1日~3日 |
瓦の葺き直し | 3日~5日 |
足場の組立、解体と合わせると、簡単な作業であれば3日程度では作業が完了します。
屋根のリフォームでかかる日数
リフォームは部分修理と比べると大がかりな修理で、日数や費用も増える工事です。
代表的なリフォームとしては、屋根カバー工法、屋根の葺き替え、外壁のリフォームがあるため、それぞれに掛かる日数を見ていきましょう。
屋根カバー工法の場合
作業内容 | 作業日数 |
足場組立 |
1日 |
金属屋根(石粒付き金属屋根) | 4日~7日 |
アスファルトシングル | 5日~8日 |
金属屋根(断熱材一体型) | 5日~8日 |
足場解体 | 1日 |
屋根カバー工法は、古い屋根のうえに軽い屋根を張ってかぶせる工事方法のことです。
屋根リフォームの中では比較的、工事費用と工事期間を抑えることができる工法です。
屋根の種類にもよりますが、現在では多く採用されている工法です。
屋根カバー工法については、こちらの記事も参考にしてください。
⇒屋根カバー工法とは?屋根修理で用いられる人気の工法について詳しく解説
屋根葺き替えの場合
作業内容 | 作業日数 |
足場組立 |
1日 |
屋根はがし | 1日 |
下地調整(状況に応じて) | 1日 |
金属屋根(縦葺き) | 5日~7日 |
金属屋根(石粒付き金属屋根) | 5日~9日 |
金属屋根(断熱材一体型) | 7日~10日 |
瓦屋根 | 8日~11日 |
足場解体 |
1日 |
屋根の葺き替えは、既存の屋根をすべて剥がして新しい屋根に入れ替える工法です。
カバー工法とは異なり、すべて屋根を外してから作業をするため、日数も費用も掛かります。
しかし、屋根の問題をすべて綺麗に解決できるメリットがあります。
屋根の種類によって工期は様々ですが、足場組立前後のブランク日や雨天日の影響を考慮すると葺き替えは約2週間~20日ほど掛かるのが一般的です。
屋根の葺き替えについては、こちらの記事も参考にしてください。
⇒屋根の葺き替えとは?屋根修理の人気の工法について詳しく解説
外壁リフォーム
作業内容 | 作業日数 |
外壁塗装 |
10日~14日 |
金属サイディング(横張り) | 14日~21日 |
金属サイディング(縦張り) | 16日~23日 |
屋根修理とは少し異なりますが、足場を組んで作業を行うということで、同時に外壁のリフォームを行う方もいます。
こちらは屋根の修理とは別で動きますが、おおよそ2週間から1か月程度の工事となることが多いようです。
職人の人数によって日程が変わる
ここまでおおよその日程について解説をしてきましたが、これらは職人の人数によっても前後します。
しかし、近年では一人親方、もしくは2人で工事を請け負う個人事業主も多くなりました。
この業界では、一人で全ての工事ができるようになってはじめて一人前として認められ、大きな報酬が得られます。
そのため、多くの職人さんが一人親方を目指しています。
ただし、一人親方であれば技術面の心配はありませんが、工事のスピードは遅くなってしまいます。
複数人であれば、1日程度で終わるところも2日、3日掛かってしまうこともあります。
人数と工期のバランスの取り方は人それぞれですが、費用や工期、職人さんの人柄など様々な要因を加味した上で依頼先は決定するようにしましょう。
必ずしも工事が早い=技術があると言うわけではありませんので、しっかり打合せした上で工事を行いましょう。
工期が伸びる6つのケース

職人さんの数以外にも、工期が伸びてしまう要因はいくつかあります。
自然災害や屋根の形状などによっても工期は伸びてしまうため、事前に知識として頭に入れておきましょう。
天候不良
大雨や大雪、風が強いといった天候不良の時は工事がストップします。 安全第一に行うことが鉄則ですので、無理に工事を行ってもらうよう急かすことはやめましょう。 依頼する際にも、冬や台風の時期をずらしたりすることで、工事をスムーズに行える可能性が高まります。
屋根の勾配や屋根面の数
屋根の勾配(6寸以上)が急な場合、作業効率が悪くなるため工事日数がかかります。
屋根面が多く、複雑な形状をしているほど、屋根工事の期間は長くなります。
これらは、職人の技術も関係してくるところですので、見積もりの際にしっかりと相談しておきましょう。
下屋根の有無とサイズ
下屋根(げやね)とは母屋より差し出した主屋根より一段下がった片流れの屋根のこと及び空間のことをいいます。
こちらも屋根修理の際には工事が必要となる箇所ですので、下屋根がある場合は工数が増えると考えておきましょう。
屋根の劣化状況
屋根の劣化状況によっては工数が大幅に変わることがあります。
雨漏りが浸透して、下地の劣化が激しい場合には追加の工事が必要となり、日数も合わせて伸びていきます。
これは実際に屋根に上って点検をしないとわからないところですので、見積もり段階で屋根の状態をしっかり確認してもらうようにしてください。
周辺環境の整備がされているか
駐車場のあるなしや、近隣の道路状況によっては、作業効率が落ちてしまう場合があります。
工事を依頼するときには、周辺の道路状況も加味しながら話を進めていくと良いでしょう。
屋根修理には火災保険が使えるかも?
さてここまで、屋根修理にかかる期間について解説をしてきました。
期間も大事ですが、費用も気になるところであると思います。
その中で、屋根修理では火災保険が使える可能性があるため、こちらで紹介をしていきましょう。
火災保険は、火災だけでなく自然災害等で建物や家財に被害があった場合にも補償を受けることができます。
そのため、屋根修理では、火災保険が適用できる場合があります。
ただし火災保険の内容によって補償内容は異なりますので、具体的な内容については保険条項や保険会社へ確認してください。
まずは、自分が加入している火災保険を確認し、保険会社やハウスメーカーなどに問い合わせてみるとよいでしょう。
火災保険の適用条件としては、以下のような条件があげられます。
- 風災、雪災、雹災の被害であること
- 修理費用が20万円以上
- 被害発生後3年以内であること
- 屋根が契約書の保険適用対象になっていること
上記の条件を満たす場合であれば、火災保険が適用される可能性があります。
特に、屋根が火災保険の対象になっているかは、加入している火災保険の内容によって異なりますので、保障内容を確認するか保険会社に問い合わせてみましょう。
また、火災保険が適用されるかは保険会社の判断です。
保険が下りることを見越して工事をしてしまうと、適用外であった場合にすべて自己負担となってしまいます。
火災保険を使用して工事を行う場合は、必ず適用が決まってから工事を依頼するようにしましょう。
火災保険に関しては、以下の記事も参考にしてください。
⇒屋根の修理には火災保険が使える?申請方法について詳しく解説
火災保険の申請の仕方

それでは、火災保険の申請の仕方を確認していきます。
一般的な申請方法について記載していますので、実際には保険会社に相談をしながら申請を進めてみてください。
保険会社に連絡をする
まずは、加入している損害保険会社へ連絡します。
その際には、自分が加入している保険の内容や約款などを確認しながら問い合わせをするとスムーズです。
具体的には以下が確認必須の項目です。
- 補償範囲(今回のケースが該当するか)
- 免責金額(自分で負担する額)
- 保険金額の上限
- 必要書類
屋根修理の業者へ連絡をする
保険会社に連絡したのちに、修理を依頼する業者に連絡をします。
その際には、火災保険で適応したい旨を担当者に伝えることで、スムーズに手続きを進めることができます。
現地で状況を確認後、見積もりが問題なければ修理の工事をしてもらいましょう。
工事終了後に、火災保険の申請に必要な書類等を受け取ります。
修理前後の写真、見積書、請求書等が必要になります。
また、業者に依頼する際にはできる限り、相見積もりを取りましょう。
相見積もりをとった上で、しっかりと保険に対しても理解のある、信用できる業者を選びましょう。
相見積もりを取らずに工事を行ってしまった結果、トラブルになるケースも多くあるため、複数社に連絡することをおススメします。
保険会社へ申請する
修理が終われば、申請に必要な書類を記載して、保険会社へ申請します。
不備があると、保険金がすぐに受け取れない場合があるため、しっかりと内容のチェックをしましょう。
保険鑑定人の調査を受ける
申請のあと、申請内容が事実であるかどうか保険鑑定人が訪問することがあります。
これは、火災保険詐欺を防ぐためです。
申請内容とご自宅の状況に異なる点がないかなどを確認し、保険金の支給可否や金額を最終決定します。
保険金の受け取り
書類や申請内容に問題がなければ保険金が振り込まれます。
保障の内容によって全額負担、一部負担などの違いはあるため、あらかじめ保険会社と確認をしておくことが大切です。
まとめ
今回は屋根修理工事での工事期間について解説をしてきました。
屋根修理は1日、2日で終わるものは少なく、短くても1週間程度工期が必要な工事です。
その他にも天候や職人さんの数など、様々な要因が絡んでくる部分です。
工事を依頼するときには、1週間~2週間程度は余裕を持ち、安全に工事ができるように配慮することも必要となります。
もし不明な点があれば、ぜひ修理業者に相談してみてください!
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