ここ数年様々な場所で見かけることが多くなったドローン。
趣味の一つとして楽しんでいることもあれば、カメラやビデオを使って映像や写真を撮影することもできます。
その中で、屋根の点検にドローンが使われることも増えてきました。 通常の屋根点検では、職人さんが足場を作り、そこから屋根に上って一つ一つ点検することが一般的でした。
しかし、ドローンがあれば地上にいながらビデオを取り付けたドローンを屋根に飛ばすことで、損傷の具合や壊れている部分の確認ができます。
今回は、この新たな点検方法として用いられている、ドローンでの屋根点検について詳しく解説をしていきます。ぜひ参考にしてください。
Contents
ドローンでの点検が増えている背景

ドローンは登場以降、様々な場面で活躍の場を広げてきました。
ただ単に飛ばして楽しむだけでなく、映像を撮影するために使用したり、今ではものを届けるサービスも研究されています。
その中でも、人が危険で立ち入られない場所、高い場所などの映像を撮影することに長けています。そのため、屋根修理など普段目が届かない場所の撮影に取り入れられるようになりました。
ドローンで行う調査は、足場を組んだり、屋根に登ったりしないため、費用や安全面に優れています。
近年では、台風で被災を受けた地域でドローンを使った屋根点検が非常に活躍しており、被災地の復興支援に役立っています。
国土交通省の「国土交通白書 2020」によると、2020年のドローンを使った点検に関する市場規模は、349億円となっています。2019年度の110億円と比べると明らかに伸びていることがわかります。
このことからも、屋根などの人が行きづらい場所の点検において、ドローンの需要は増えていることがわかります。
2024年には、2020年の4倍の市場規模になることが予測されており、今後ますます様々な場面でドローンが活躍する場が広がっていくと考えられます。
ドローンで屋根を点検する5つのメリット

ドローンでの屋根点検は、大きくメリットが5つあります。
それぞれについて解説をしていきます。
安全に細かいところまで点検できる
ドローンの一番のメリットは、安全に屋根点検ができることです。
屋根の上の点検は、これまで人が登ってチェックするしか方法がありませんでした。
屋根の上は、勾配があり足元も不安定であるため、落下してしまう危険性があります。
しかし、ドローンであれば、屋根を登らずに点検が出来るため、事故のリスクを減らすことが出来ます。
また近年では、台風などの災害後もドローンによる点検が行われています。
台風被害の後は様々な場所に危険が潜んでいることから、これからますますドローンによる点検は増えていくことでしょう。
屋根材が割れる心配がない
屋根の上を人が移動すると、劣化が進んでいる屋根材は重みで破損してしまうことがあります。
また、悪徳業者はわざと屋根材を破壊して、修理が必要ですと契約を迫ってくるケースもあります。
ドローンであれば、屋根の上に登る必要がないので、屋根材が割れることはありません。
また、業者を不要に屋根に上らせることもなくなるため、安全かつ騙されずに点検が可能です。
足場が無いため調査費用が安くなる
屋根の点検を行うためには、通常足場の設置が必要となります。
この足場を設置するには大きな金額がかかり、また数日の時間を要します。
調査をするだけでも大変な作業となります。
また、場所によっては足場の設置ができない、はしごが掛けられないなどの状況もあります。
そこで、はしごや足場の制限がかからないドローンの需要が増えています。
足場代の節約も可能で、調査時間も短くなるため、様々な負担を軽減することができます。
業者と一緒に状態を確認できる
ドローンで点検をすると、手元のタブレットや端末を見ながら業者と一緒に屋根を見ることが出来ます。
実際に屋根の状態を見ながら説明を聞くことが出来るため、自分の目で見て状態を確認することができます。
なかなか自分の目で状態を確認できる方法が少ないため、映像を見ながらより納得感のある説明を受けることができます。
急勾配や3階建て以上の登れない屋根の点検できる
足場の設置と少し関連しますが、足場を設置しても調査ができない構造の住宅は存在します。
屋根の傾斜が急こう配であったり、3階建て以上の高い建物は、足場だけではなかなか対応が難しくなります。
そこで、ドローンでは傾斜が急勾配の屋根や3階建ての住宅でも、点検が可能となります。
また、雨上がりの濡れた屋根や、塗装をしたばかりの屋根はとても滑りやすく危険です。
このような状態でも、ドローンを活躍させることができます。
ドローンで屋根を点検するデメリット

一方で、ドローンのデメリットも少なからず存在します。
こちらも考慮した上で、依頼を行うようにしましょう。
騒音の問題
ドローンを飛ばすときは約80dBの騒音がします。
これは、電車やテレビ、ラジオの音量と同程度の騒音です。
室内にいればそこまで気になりませんが、もしかすると近隣の方にはうるさいと感じさせてしまうかもしれないレベルの騒音となります。
点検を行う日時が決まったときには、近隣の方に事前に連絡をしておくとよいでしょう。
応急処置や補修作業ができない
ドローンでの屋根点検は、応急処置や補修作業はできません。
人が登って点検をする場合であれば、応急処置が必要な場合にすぐ対応できますが、ドローンでは損傷個所を確認するのみです。
また、屋根材や板金等を剥がして内部を確認することもできません。
そのため、応急処置が必要な場合はドローンでの点検でなく、直接人が登って点検する方法がよいでしょう。
飛行禁止区域の場合は点検できない
ドローンを飛ばす際は、航空法で決められた規則を守る必要があります。
空港が近い・人口密集地などはドローンを飛行することが出来ない区域もあるため、事前に確認しておきましょう。
場所によっては、許可を取ることが必要な場合もあるので、業者に確認して許可を取ってもらってからドローンを飛ばすようにしましょう。
事故の可能性がある
屋根業者の操縦ミス、もしくは何かしらのトラブルが発生して、ドローンが落下してしまう可能性があります。
例えば、家にぶつかって壁を壊してしまったり、場合によっては人にぶつかってしまう可能性も考えられます。
そのため、ドローンを使った点検や調査を行う際には、最大限の安全の配慮と、事前連絡が必要です。
近所の方には日時をしっかりと伝え、危険性があることを事前に伝えておきましょう。
以下は、ドローンが実際に落ちて事故に繋がった事例の数です。
こちらを見てもわかる通り、近年では少しずつ減ってはいますが、まだ事故は起こっています。 ぜひ、安全にドローンを飛ばせるような準備もしておきましょう。
平成27年度 |
65件 |
平成28年度 | 113件 |
平成29年度 | 127件 |
平成30年度 | 144件 |
平成31年度 | 83件 |
令和2年度 | 65件 |
ドローンの屋根点検費用相場
では、ドローンを使っての屋根点検の費用相場について確認しておきましょう。
5,000円~30,000円が相場
ドローンを使った屋根点検は5,000円~30,000円が費用相場です。
特にドローンでの屋根点検のみを行なっているところや、ドローン屋根点検に力を入れているところは、点検の時点で費用がかかることが多いです。
ドローンは機材や道具に大きな費用が掛かるため、点検の費用は高額になることが多いです。
しかしその分、充分に成果を得られる点検となることも多いため、金額だけで判断せず、点検内容や業者の対応を見て依頼するようにしましょう。
ドローンでの屋根点検・調査は自分でもできる?

では、ドローンを使った点検は自分で行うことは可能でしょうか?
まず、ドローンを使うのに免許は必要ありませんが、民間資格は存在しています。
しかし、特に民間資格を取得せずとも使用は可能です。
そのため、できないことはありませんが、おススメはできません。
最も大きな理由としては、やはり人や住宅にぶつかって大きなケガや損害につながる可能性があるためです。
ドローンを屋根の上に飛ばすときには、様々な障害物があったり、自分の目から見えなくなるところまで飛ばす必要があります。
もし、普段から操作に慣れていれば問題ないかもしれませんが、ドローンが予想の付かない動きをしたり、制御できなくなってしまうと大変です。
場合によっては、高額な慰謝料や修理代金を請求されることもあります。
そのため、何かを壊したり、ケガをさせてしまったりというリスクを考えると、専門の業者に任せることがおススメです。
まとめ
こちらの記事では、ドローンによる屋根点検の方法について紹介をしてきました。
ドローンが登場してまだ間もないですが、様々なところで活躍をしている機械です。
これから益々活躍の幅が広がると予想されていますので、ぜひこの機会にドローンでの屋根点検についての知識は仕入れておきましょう。
まだドローンを使った点検を行っている業者は少ないですが、最新技術で点検を行ってくれる業者であるとも考えることができます。
もちろん最終的には、対応や人柄で判断をすべきですが、1つの基準として考えてもいいかもしれません。
気になることがあれば、ぜひ専門業者に相談してみてください!
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