屋根や壁のひび割れなどを補修する方法として、コーキングが良く用いられます。
しかし、普段聞きなれないものですので、そのメリットやデメリット、修理の方法がわからないという方も多くいらっしゃると思います。
そこでこちらの記事では、コーキングでの屋根修理について、そのメリットやデメリット、DIYでの修理方法などを詳しく解説していきます。
もし雨漏りや、自宅のひび割れが気になっている方はぜひ参考にしてください。
Contents
コーキング材とは

まず、コーキングにはコーキング材が使用されます。
コーキング材はシリコンやウレタン、アクリルなどでできた接着剤です。
他にも、シーリング材ともよばれています。
このコーキング材をひび割れや隙間に塗布することで、そこからの雨漏りや水の侵入を防ぎます。
使用する際はコーキングガンと呼ばれる器具にコーキング材の入ったカートリッジをセットし、隙間を埋めていきます。
コーキング材を使って修理する目的には以下の3つがあげられます。
緩衝材としての機能
まずは緩衝材としての役割です。
コーキング材は弾力性が高いため、接合部分の緩衝材の役割を果たします。
日本は特に地震が多い国ですから、この緩衝材によって揺れを軽減したり、自宅の損傷を防ぎます。
また、温度変化による膨張、収縮が起こった際にも緩衝材として働きます。
近年は気温変化が激しいため、自宅にも大きな負担が掛かっているため、緩衝材としての役割はますます重要になっています。
接着剤の役割
次に接着剤としての役割です。
このイメージが最もしやすいところであるとは思いますが、接着剤として隙間を埋めて、くっつける役割があります。
イメージしやすいところでは、例えばお風呂場のタイルの隙間を埋めたり、水回りのシンクと壁を埋めるときにも使われます。
防水機能
そして、防水機能があります。
外壁や屋根のひび割れを埋めることで、雨漏りなどを防止することができます。
これは、コーキング材の素材によって特性が異なるため、それぞれの特性を生かして適切な場所に使用することが必要です。
例えば、シリコン素材であれは耐熱性・耐水性に優れており、変性シリコンは色が豊富でデザイン性に優れている、ウレタンは耐久性に優れているなどの特徴があります。
屋根をコーキングで補修するメリットとデメリット

コーキング材の役割について説明をしてきましたので、次に実際に屋根を修理する、コーキングする場合のメリットやデメリットを見ていきましょう。
メリット
まずメリットは、大きく分けると以下の二つです。
- 軽度のひび割れなどを素早く補修できる
- 雨漏りを防止できる
メリットはなんといっても、軽度なひび割れを素早く補修することができる点です。
少しのひび割れであっても、しばらく放置してしまうと雨水が侵入し、雨漏りや腐食に繋がってしまいます。
そこで、コーキングであればそのひび割れを素早く補修でき、屋根材を交換せずに済むため手間も費用も掛かりません。
この手軽さ、スピード感はコーキングの大きなメリットです。
デメリット
一方でデメリットは以下の二つが挙げられます。
- 重度の劣化や損傷は補修できない
- 雨漏りを悪化させる可能性がある
コーキングは小さなひび割れや亀裂は補修できますが、大きな損傷までは補修できません。
その場合は、交換など別の手法を考える必要があります。
また、コーキングは場合によっては、雨漏りを悪化させてしまうこともあります。
これは、雨水の逃げ道をコーキングがふさいでしまうことで、別の場所に雨水が流れてしまい、結果として別の場所で雨漏りが発生してしまうことがあるからです。
屋根をコーキング補修するときの費用と耐用年数
では、コーキングで補修した場合のおおよその費用と、耐用年数について解説します。
特に耐用年数はメンテナンス周期の目安となるため、ぜひ参考にしてください。
費用相場
屋根のコーキング補修の費用相場は、業者に依頼する場合は5万円〜30万円ほどの金額化掛かります。
ただし、DIYであれば1万円〜10万円で済むことがあります。
DIYに関しては、後述します。
コーキング補修の他に、雨漏り修理を追加で行う場合は10〜30万円程追加料金が掛かるイメージです
その他にも足場が必要となったり、修復箇所が多くなるとさらに追加となります。
足場も10万~30万円程度の追加料金となります。
おおよその相場は以下の表を参考にしてください。
工事内容 | 工事相場 |
コーキング補修 | \20,000~\60,000 |
テープ補修 | \20,000~\40,000 |
ブルーシート補修 | \20,000~\80,000 |
足場種別 | 単価(1㎡) |
単管足場 | \600~\800 |
単管ブラケット足場 | \800~\1,000 |
クサビ式(ビケ)足場 | \1,000~\1,200 |
耐用年数の目安
コーキングの耐用年数は7年〜15年と言われています。
そのため、10年に1度はメンテナンスするとよいでしょう。
コーキングが劣化したまま放置してしまうと、雨漏りや屋根材の破損に繋がります。
屋根全体のメンテナンスも10年に一度は推奨されているため、全体のメンテナンスと同時に行うと良いかもしれません。
コーキング補修を依頼する時の注意点
では、コーキング補修の注意点について説明をしていきます。
専門性の高い施工業者を選ぶ
コーキング補修は様々な業者が対応をしてくれますが、業者によって専門性の違いがあるため、クオリティに差が出る可能性があります。
特に、コーキングに関しては、防水工事を得意としている業者に依頼しましょう。
必ずしも他の業者がダメというわけではありませんが、防水を専門としている業者はコーキングの経験や知見が豊富です。
特に防水施工技能士等の国家資格を持っている職人がいると、安心して工事を任せることができます。
業者の得意分野に合わせて依頼をするようにしましょう。
雨の日は避ける
雨の日は施工不良を起こしやすいため、工事は避けるようにしましょう。
無理に雨の日に行うと、コーキングがはがれて再度修理する必要が出てくるということも考えられます。
多くの業者は雨の日は工事を避けるとは思いますが、万が一雨の日でも工事をするような業者は危険な可能性があるため、避けた方が良いかもしれません。
DIYでコーキング補修はできるのか?

では、ここまでコーキングについて解説をしてきましたが、DIYでも作業できるのでは?と思った方もいらっしゃると思います。
そこで、こちらではDIYに関して解説をしていきますので、ぜひ参考にして下さい。
DIYは危険が伴う
まず、屋根をコーキングで補修する作業をDIYで行うことはおすすめしていません。
これは、DIYには危険が伴うということが最も大きな理由です。
屋根は傾斜があったり、素材によっては滑りやすいため、落下の危険性があります。
万が一事故につながってしまっては元も子もないため、屋根修理のDIYはおススメ出来ません。
もちろん、特別な許可や資格は必要ないため、DIYは不可能ではありません。
ただし、専門の職人であっても最大限安全に配慮をして作業を行う場所であるため、しっかりとした準備をして安全第一で作業を行ってください。
コーキングで補修で雨漏りが悪化する場合もある
雨漏りは、原因となっている箇所が特定でき、その個所をコーキングすることで雨漏りを対処することができます。
しかし、原因の箇所がわからず、ひび割れているところをやみくもに修理してしまうとかえって雨漏りを悪化させる可能性があります。
例えば、壁と屋根の隙間には、雨水の通り道を作るため、意図的に隙間を開けている場合があります。
この箇所を、隙間が出来ているとコーキングしてしまうと、本来流れていくはずだった雨水が排出できなくなり、別の雨漏りに繋がってしまうことがあります。
また慣れていない作業であると、他の箇所を損傷させてしまったり、ひび割れを悪化させてしまうこともあります。
隙間を埋めるくらい簡単とは思わずに、少しでも不安があれば専門の修理業者に依頼しましょう。
また、屋根の雨漏りの応急処置として、ブルーシートで屋根を覆う方法や防水シート、防水テープで応急処置をする方法もあるため、こちらも検討してください。
DIY関してこちらの記事も参考にしてください。
⇒屋根修理は自分でDIYできる?必要な工具や方法を詳しく解説!
屋根修理をDIYでコーキング補修する手順

DIYの危険性や注意点を記載してきましたが、普段からDIYに慣れていたり、修理の経験がある方であれば、自分で行いたいという方もいらっしゃると思います。
こちらでは、DIYでのコーキング手順について解説をしていきます。
業者に雨漏りの原因箇所を特定してもらう
まずは、雨漏りの原因箇所を特定する必要があります。
この特定はプロでないと難しいため、業者に依頼した方が安全です。
原因を特定せずに補修をしてしまうと、かえって雨漏りを悪化させることにもなるため、必ず原因箇所の特定を行いましょう。
特定方法はいくつかあり、無料で行ってくれる場合もありますが、複雑な雨漏りの場合は特定だけで数十万円の費用が掛かることもあるため、DIYで修理するのか、業者に依頼するのかはここで決めてもいいかもしれません。
材料や道具を揃える
雨漏り箇所が特定できたら、必要な道具を揃えましょう。
- コーキング道具一式
(コーキング材・コーキングガン・プライマー・ハケ・マスキングテープ・ヘラ・手袋) - 高圧洗浄機
- 養生テープ
- 足場やハシゴなど高所作業用の道具
- ヘルメットや安全帯などの安全グッズ
最低限、上記の道具は準備しておきましょう。
もし、屋根材を交換するとなる場合は、自宅に合わせた屋根材も必要となります。
補修部位を洗浄する
道具の準備が出来たら、補修する箇所を高圧洗浄機で屋根を洗います。
洗浄がしっかりできていないと、ゴミなどの不純物が入り、コーキングの耐久性が落ちてしまいます。
そして、洗浄後はしっかりと乾かす必要があります。
そのため、天気には充分注意して作業するようにしましょう。
養生する
洗浄後、マスキングテープ等をつかって、周辺の養生を行います。
養生なしでも作業に問題はありませんが、コーキング材が飛び散ってしまうこともあるため、綺麗に作業するためには養生は必要です。
下地処理をする
コーキングを使う前に、プライマー塗料を下塗りをします。
もしすでにコーキングしている個所を再度コーキングする場合は、既存のコーキングを撤去しましょう。
特に劣化が進んでいる場合は、綺麗に撤去してあげてください。
コーキングを充填する
プライマー度量を塗ったらコーキングを充填します。
ヘラなどを使って綺麗に形を整えて、完成です。
まとめ
今回は屋根修理のコーキングについて詳しく解説をしてきました。
コーキングは簡単な作業のように感じますが、かなり大きな役割を持っており、特に雨漏り対策には重要な役割を果たします。
DIYで作業することもできますが、屋根の上は危険が多くあるため、決して無理はしないようにしてください。
雨漏りは知らず知らずのうちに急に発生しますので、見つけた際にはまず屋根修理業者に相談をしてみましょう!
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