屋根修理と同時によく行われるのが、外壁塗装などのリフォームです。
これは、どちらの工事でも足場の設置が必要になることが多いため、足場設置に掛かる費用や工期を一度にまとめることができます。
そのため、屋根修理と同時に外壁塗装を依頼する家庭が多くなっております。
しかし、これらの二つの工事は似ているようで、分野が異なる工事出すので、注意しなければいけない点もいくつかあります。
そこで今回は、この二つの工事を同時に行うメリットに加え、注意しなければならないところも合わせて解説をしていきます。
これから工事を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
Contents
屋根修理と外壁塗装は同時に行っても大丈夫?

まず、そもそも屋根修理と外壁塗装は同じタイミングで行っても問題は無いのでしょうか?
これは、工事場所が被ることはなく、互いの工事に干渉することはほとんどないため、同時に行う分には問題はありません。
そして、同時に行うことで足場の設置に掛かる費用や工数を削減できる大きなメリットがあります。
足場代だけでも30坪前後の家で15万円~20万円程度かかるため、この金額を節約できるのは非常に大きなことです。
また、それぞれの修理業者からしても足場設置に掛かる手間を少なくしてくれるため、業者にとってもメリットはあります。
そして、この屋根修理と外壁塗装のタイミングを一度同じにすることで、今後のメンテナンスのタイミングを合わせることができます。
もちろん、様々な要因で修理が必要になるため、ピッタリ合わせることは難しいかもしれませんが、多少の余裕をもってメンテナンスを行うことも、屋根や塗装の寿命を伸ばすポイントとなります。
特に、屋根と外壁とでは、屋根の方が紫外線や雨風の影響を受けやすい厳しい環境にあるため、同じ塗料を使用して塗り替えたとしても屋根の方が先に劣化してしまうことは多くあります。
足場の種類と費用について

ではまず、足場の費用の考え方について解説をしていきます。
足場は鋼製のパイプや枠などが使用されることが多く、その設置方法や設置場所に応じて4種類があります。
詳しくはこちらの記事を参照にしてください。
⇒屋根修理に足場は必要なのか?足場の必要性や費用相場について詳しく解説
足場は1㎡当たりおおよその単価が決まっており、足場代と人件費が含まれています。
実際に足場設置にかかる費用を求めるには、次のような計算式を使用します。
- 足場架面積 = (建物の外周(m) + 8m) × 家の高さ(m)
- 足場にかかる費用 = 足場架面積 × 平米単価 (600~1,000円)
この計算式に当てはめると、一般的な30坪ほどの住居であれば、足場の設置と解体に15万円~20万円ほどの費用が掛かります。
この金額を節約できるかどうかが、屋根修理と外壁塗装を同時に行うかどうかのポイントとなります。
屋根修理と外壁塗装は専門分野が別となる
屋根修理と外壁塗装は、分野が異なり、基本的には別となります。
そのため、場合によっては同じ会社内で請け負うことができずに、屋根修理と外壁塗装を行う会社が別になるということもあります。
屋根修理は板金工事会社の専門分野となり、金属屋根と金属サイディング(外壁)を請け負います。
ただし、外壁に関してに知識が全くないというわけではなく、金属サイディングを張る工事も専門とするため、外壁の構造などの知識や経験は持ち合わせています。
一方で、塗装の専門でなければ工事出来ないところもあります。
例えば金属サイディング工事を行う場合、サッシや戸袋、玄関、ブロック塀、鉄格子、ぬれ縁、ポーチ天井などはサイディングを張ることができません。
サイディングを張ることができない箇所は全て塗装が必要となるため、この分野は塗装会社の役割です。
また屋根の塗装が必要な場合も、塗装工専門の会社が請け負うこともあります。
やはり塗装は専門業者が対応した方が、綺麗な仕上がりとなるため、塗装は専門業者に依頼しても良いかもしれません。
このように、板金工事会社と塗装工は、互いに協力し合って、修理を行うことが多いです。
屋根と外壁塗装を同時に行う時の注意点

では、ここまで屋根修理と外壁塗装に関して、それぞれ専門が異なる分野であることを説明してきました。
それでは、これらの工事を同時に行う際の注意点についてまとめていきましょう。
修理後のイメージを持っておく
まずは、完成した後の建物全体のイメージをしっかりと持っておきましょう。
屋根修理や外壁塗装は、家の印象をガラッと変えてしまいます。
そのため、屋根修理と外壁塗装を別物で考えて工事をしてしまうと、全体の完成をみて違和感を感じてしまう可能性が出てきます。
そのため、完成系のイメージをしっかり持っておき、それぞれ業者にしっかり伝えていきましょう。
もしかすると、イメージによっては屋根材を変更した方がいい、塗料を変えた方がいいなどのアドバイスを受けることもできます。
せっかく大規模なリフォームをするのであれば、綺麗にするだけでなく、自分のこだわりを持って、より快適に過ごせる自宅を目指していきましょう。
業者の選び方は慎重に行う
屋根修理と外壁塗装を同時に行って足場代を節約できたとしても、悪質な業者に工事を依頼してしまっては元も子もありません。
特に、それぞれ分野が異なるため、別々の業者に依頼をするときはより慎重に選ぶことが必要となります。
特に屋根修理は詐欺被害が多く報告されている工事ですので、安易に安い業者に依頼するというのは危険です。
しっかりとインターネットや口コミ等で情報を集め、最も信頼できる業者を選定するようにしましょう。
万が一でも詐欺被害に遭わないようにするために、こちらの記事も参考にしてください。
⇒屋根修理の詐欺に気を付けよう!詐欺に遭わないためのポイントを解説します
塗料の選び方
屋根や外壁塗装に使用される塗料は、毎年のようにさまざまな機能・用途を持ったものが開発されています。
塗料は住宅の状況にあったものを選ぶことが大切で、価格も耐用年数も異なります。
塗料に関しては、素人が選ぶには非常に難しい分野ですので、しっかりと業者に相談して決めていきましょう。
塗料の種類による耐用年数などは、こちらの記事も参考にしてください。
屋根修理の費用相場

屋根修理といっても屋根材にはさまざまな種類があり、どんな屋根材が使用されているのかによって修理方法や修理の費用相場が変わります。
それぞれの屋根材の修理相場について見ていきましょう。
スレート屋根修理の費用相場
スレート屋根はセメントを主原料とする屋根材のことです。
戸建て住宅では、セメントを主成分とする厚さ5mm程度の薄い板のような形で使われることが多く、フラットな形状をしています。
日本でのシェア率も非常に高い屋根で、比較的安価で設置できる点が大きなメリットです。
修理方法 | 工事相場 |
部分的な修理、差し替え、棟板金の交換 | 2万~30万円 |
塗装 | 30万~60万円 |
カバー工法 | 80万~120万円 |
葺き替え工事 | 100万~150万円 |
スレート屋根に関しては、以下の記事も参考にしてください。
⇒スレート屋根の特徴について詳しく解説!費用やメンテナンス時期についても紹介
瓦屋根修理の費用相場
日本でもっとも古くから屋根材として使われているのが、瓦屋根です。
非常に重い素材であるため、耐震性などの面がデメリットとしてあげられることが多いですが、耐久性は抜群の屋根材です。
修理方法 | 工事相場 |
瓦の差し替え | 2万~3万円 |
谷板金の交換 | 2万円~ |
漆喰補修工事 | 15万~30万円 |
棟の取り直し | 15万~30万円 |
葺き替え工事 |
150万~250万円 |
金属屋根修理の費用相場
トタン屋根を中心に、金属屋根も日本では数多くみられる屋根材の1つです。
近年では、ガルバリウム鋼板が中心となり、そのシェアを大きく伸ばしています。
ガルバリウム鋼板は軽量でかつ耐久性や耐候性が高く、これまでの金属屋根と比べて非常に大きなメリットがある屋根材です。
修理方法 | 工事相場 |
棟板金工事 | 15万~30万円 |
塗装工事 | 25万~50万円 |
カバー工法 | 70万~120万円 |
葺き替え工事 | 100万~150万円 |
ガルバリウム鋼板に関しては、以下の記事も参考にしてください。
⇒屋根材として人気のガルバリウム鋼板について詳しく紹介!修理費用やメリット・デメリットを解説
外壁修理の費用相場
こちらでは、外壁の修理についての修理相場について解説をしていきます。
外壁の修理方法には主にひび割れ補修、コーキング補修、サビ止め、高圧洗浄などがあります。
修理方法 | 工事相場 |
ひび割れ補修 | 1,500円~2,000円/m |
コーキング打ち替え | 900円~1,500円/m |
コーキング増し打ち | 500円~1,000円/m |
サビ止め | 300円~900円/㎡ |
高圧洗浄 | 150円~250円/㎡ |
塗料の種類 | 耐用年数 | 施工単価 |
アクリル塗料 | 5年~8年 | 1,000円~1,800円/㎡ |
ウレタン塗料 | 7年~10年 | 1,500円~2,500円/㎡ |
シリコン塗料 | 10年~15年 | 1,800円~3,500円/㎡ |
ラジカル塗料 | 12年~15年 | 2,200円~4,000円/㎡ |
光触媒塗料 | 12年~20年 | 3,800円~5,500円/㎡ |
フッ素塗料 | 15年~20年 | 3,500円~5,000円/㎡ |
無機塗料 | 20年~25年 | 4,500円~5,500円/㎡ |
まとめ
今回は、屋根修理と外壁塗装を同時に行う際の注意点やメリットについて詳しく解説をしてきました。
足場設置には大きな金額が掛かりますので、出来れば同時に行ってしまった方が節約ができます。
ただし、無理に行う必要も無いため、まずは修理を依頼するときに専門業者に相談してみてもいいかもしれません。
屋根修理や外壁塗装等のリフォームは非常に大きな金額の掛かる工事です。
ぜひ、多くの人に相談して納得の行く方法を模索していきましょう!
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