屋根修理の板金ってなに?板金の役割やメンテナンス方法について詳しく解説

棟板金修理

板金工事などでよく耳にする「板金」という言葉ですが、実際何を指しているのかイマイチわからないという方も多いのではないでしょうか?
屋根修理の中でも、この板金という言葉は多く出てくるため、これから屋根を修理しようとしている方にとって、言葉の意味合いを知っておくことは重要になります。
今回はこの板金について、その言葉の意味やメンテナンス方法について詳しく解説をしていきます。
屋根修理をこれから検討している方は、ぜひ参考にしてください。

板金とは?

まずそもそも板金とは、金属の板のことを示していました。
これが転じて「板」状の「金属」を加工する技術のことも板金と呼ぶようになり、金属を加工したり、加工された金属を使って修理することなども含め、全体的に「板金」と呼ばれています。
そのため、何か金属を使って修理したりすることが板金なんだなと覚えておけば良いでしょう。
その中でも、屋根の板金は屋根の頂上や縁などをカバーしている金属部分を板金と呼びます。
ほとんどの屋根で板金は使われており、主に雨水が家の中に侵入するのを防ぐ役割を持っています。
そのため、この板金に何か不具合があった場合は、直ぐに修理が必要な重要な箇所となります。

屋根板金のは3種類に分けられる

棟板金修理

屋根板金には3つの種類があり、それぞれの役割について紹介をしていきます。

棟(むね)板金

まずは、棟板金です。
棟板金はスレートや金属屋根の頂点に設置されている板金のことです。
瓦屋根の場合は、この棟板金の代わりに棟瓦が設置されています。
この棟板金は、屋根材を抑えるとともに雨水の侵入を防ぐ役割を持っています。
棟板金の内部には「貫板(ぬきいた)」という板が入っており、この板が屋根材を抑えています。
この棟板金は、台風や強風で飛ばされてしまう被害が多く発生する場所でもあるため、注意が必要です。

谷樋(たにとい)板金

次は谷樋板金です。
谷樋板金は、屋根の谷になっている部分に使用される板金で、屋根に降った雨水や雪を下に流すための役割があります。
この板金は瓦屋根でも設置されていることが多いです。

水切り(みずきり)板金

屋根の軒先や壁際に設置する板金のことを水切り板金と言います。
水切り板金は雨押さえ板金とも呼ばれ、その名の通り、隙間からの雨水などの侵入を防ぎます。

屋根板金によくある症状

屋根のくぎ打ち

では、ここまで屋根板金について紹介をしてきました。
こちらでは、この屋根板金で良くあるメンテナンスの症状について解説をしていきます。
屋根板金の果たす役割は重要ですので、これらの症状が見られた場合はなるべく早く修理を依頼するようにしましょう。

棟板金の釘抜け

棟板金で最も注意すべきところは、棟板金の釘抜けです。
棟板金は釘で横から固定されていますが、建築後10年ほどで板金の熱膨張によって釘が少しずつ抜けてきてしまいます。
釘が抜けたままの上位帯にすると、板金が浮いてきたり、強風によって板金が飛ばされてしまう可能性が出てきます。
板金は非常に軽い素材ではありますが、万が一物や人にぶつかってしまっては、大きな事故に繋がります。
そのため、釘が抜けていないかのチェックは定期的に行う必要があります。
もし釘の抜けが見つかった場合は、、釘を打ち込む工事が必要になります。

貫板の腐食

棟板金の下には貫板が敷かれています。
貫板は木材であるため、雨に濡れて放置されると腐食が進んで、ボロボロになってしまうことがあります。
貫板の腐食は、棟板金の釘を打っても、腐食しているため固定されにくく、棟板金が飛ばされる可能性が高くなります。
さらに内部の防水シートや屋根材自体にも被害が及んでしまうため、最悪の場合は屋根全体を修理する必要が出てきてしまいます。
屋根全体の工事となると、費用も時間もかなり費やす必要があるため、こちらも釘抜けと土曜に定期的にチェックを行い、必要な場合は交換するようにしましょう。

サビの発生

板金は金属であるため、サビが発生します。
現在はサビが発生しにくいガルバリウム鋼板が使われていることが多いため、被害は少なくなっていますが、ゼロになったというわけではありません。
錆が発生すると板金の耐久性が下がり、また穴あきにもつながります。
そこから水が浸入すると雨漏りや腐食に繋がるため、サビ対策もしっかりと行いましょう。
サビ対策は板金を交換する他に、塗料を塗ってサビから保護する方法があります。

落ち葉やゴミのつまり

谷樋板金などはゴミや落ち葉が溜まりやすい形をしています。
ゴミが溜まって雨や雪の流れが悪くなると、そこからサビや板金の腐食が進む可能性があります。
こちらは定期的に掃除を行って、綺麗にすることを心がけましょう。
ただし、屋根の上に上る作業は危険であるため、安全面に充分気を付けて作業するようにしましょう。

屋根板金の修理費用について

では、屋根板金の修理費用について解説をしていきます。
こちらは一般的な費用相場ですので、実際の費用は、業者に見積もりをしっかりとった上で確認するようにしましょう。

 修理方法 工事相場
棟板金釘打ち・コーキング 2万~4万円
板金周りの清掃 1万~3万円
貫板交換 6,000~10,000円/m
棟板金交換 7,000~12,000円/m
サビ止め塗装 5万円~7万円

足場の費用について

屋根の修理工事には足場を設置することがほとんどです。
こちらでは、足場についてもいくら程度かかるのか確認しておきましょう。
足場は鋼製のパイプや枠などが使用されることが多く、その設置方法や設置場所に応じて4種類があります。
詳しくはこちらの記事を参照にしてください。
屋根修理に足場は必要なのか?足場の必要性や費用相場について詳しく解説

足場は1㎡当たりおおよその単価が決まっており、足場代と人件費が含まれています。
実際に足場設置にかかる費用を求めるには、次のような計算式を使用します。

  • 足場架面積 = (建物の外周(m) + 8m) × 家の高さ(m)
  • 足場にかかる費用 = 足場架面積 × 平米単価 (600~1,000円)

この計算式に当てはめると、一般的な30坪ほどの住居であれば、足場の設置と解体に15万円~20万円ほどの費用が掛かります。

板金修理でも火災保険が使える?

火災保険

さて、板金の修理について解説をしてきましたが、思った以上に費用が掛かると思われた方もいらっしゃると思います。
そこで、費用面で助けとなってくれるのが火災保険です。
こちらは、条件を満たせば板金工事でも火災保険で修理できる可能性があります。
火災保険は、火災だけでなく自然災害等で建物や家財に被害があった場合にも補償を受けることができます。そのため、屋根修理では、火災保険が適用できる場合があります。
ただし火災保険の内容によって補償内容は異なりますので、具体的な内容については保険条項や保険会社へ確認してください。
まずは、自分が加入している火災保険を確認し、保険会社やハウスメーカーなどに問い合わせてみるとよいでしょう。
火災保険の適用条件としては、以下のような条件があげられます。

  • 風災、雪災、雹災の被害であること
  • 修理費用が20万円以上
  • 被害発生後3年以内であること
  • 屋根が契約書の保険適用対象になっていること

上記の条件を満たす場合であれば、火災保険が適用される可能性があります。
特に、屋根が火災保険の対象になっているかは、加入している火災保険の内容によって異なりますので、保障内容を確認するか保険会社に問い合わせてみましょう。
また、火災保険が適用されるかは保険会社の判断です。
保険が下りることを見越して工事をしてしまうと、適用外であった場合にすべて自己負担となってしまいます。
火災保険を使用して工事を行う場合は、必ず適用が決まってから工事を依頼するようにしましょう。
火災保険に関しては、以下の記事も参考にしてください。
屋根の修理には火災保険が使える?申請方法について詳しく解説

火災保険の申請の仕方

悩む夫婦

それでは、火災保険の申請の仕方を確認していきます。
一般的な申請方法について記載していますので、実際には保険会社に相談をしながら申請を進めてみてください。

保険会社に連絡をする

まずは、加入している損害保険会社へ連絡します。
その際には、自分が加入している保険の内容や約款などを確認しながら問い合わせをするとスムーズです。
具体的には以下が確認必須の項目です。

  • 補償範囲(今回のケースが該当するか)
  • 免責金額(自分で負担する額)
  • 保険金額の上限
  • 必要書類

屋根修理の業者へ連絡をする

保険会社に連絡したのちに、修理を依頼する業者に連絡をします。
その際には、火災保険で適応したい旨を担当者に伝えることで、スムーズに手続きを進めることができます。
現地で状況を確認後、見積もりが問題なければ修理の工事をしてもらいましょう。
工事終了後に、火災保険の申請に必要な書類等を受け取ります。
修理前後の写真、見積書、請求書等が必要になります。

また、業者に依頼する際にはできる限り、相見積もりを取りましょう。
相見積もりをとった上で、しっかりと保険に対しても理解のある、信用できる業者を選びましょう。
相見積もりを取らずに工事を行ってしまった結果、トラブルになるケースも多くあるため、複数社に連絡することをおススメします。

保険会社へ申請する

修理が終われば、申請に必要な書類を記載して、保険会社へ申請します。
不備があると、保険金がすぐに受け取れない場合があるため、しっかりと内容のチェックをしましょう。

保険鑑定人の調査を受ける

申請のあと、申請内容が事実であるかどうか保険鑑定人が訪問することがあります。
これは、火災保険詐欺を防ぐためです。
申請内容とご自宅の状況に異なる点がないかなどを確認し、保険金の支給可否や金額を最終決定します。

保険金の受け取り

書類や申請内容に問題がなければ保険金が振り込まれます。
保障の内容によって全額負担、一部負担などの違いはあるため、あらかじめ保険会社と確認をしておくことが大切です。

まとめ

さて、今回は屋根の板金工事について詳しく解説をしてきました。
板金は屋根を保護する、支える役割であるため、普段から気にすることは少ない場所です。
しかし、屋根や住宅を守る上で、非常に重要な役割を果たしている箇所です。
目にかけることは少ないかもしれませんが、しっかりと数年に一度はメンテナンスを行うことで、大きな事故を未然に防ぐことができます。
家を建てて10年以上経過し、まだメンテナンスを一度も行っていないと言う方は、これを機に一度相談してみてください。
専門業者がしっかりと、貴方の屋根を守ります!

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