屋根修理を依頼するとき、皆さんはどこに連絡するかイメージは付いているでしょうか?
「屋根修理屋」と明確に書いてある業者がいればいいですが、大工さんなどの工務店、板金業者、ホームセンターなどでも屋根修理を受けてくれるところがあるため、混乱をしてしまうこともあるでしょう。
そこでこちらの記事では、屋根修理を依頼する業者について、詳しく解説をしていきます。
屋根修理はかなり幅広い業者で請け負ってくれるため、しっかりと確認をしておきましょう。
Contents
屋根修理業者に資格はいらない!?

まず屋根修理業者には資格などが必要ないため、誰でも簡単に名乗ることができます。
そのため、数多くの業者で工事を引き受けてくれますが、工事のクオリティや対応に差が出てしまうことも多くある業界です。
また、誰でもなれることから、悪質な詐欺行為を働き、不当な請求を行う業者も残念ながら数多く存在します。
そのため、修理業者を探す、選ぶときには様々な情報を仕入れ、慎重に選ぶことが大切です。
では、次章では屋根修理を専門としているプロの業者について、特徴を含めて紹介していきます。
屋根修理のプロは3つの会社にわかれる

屋根修理業者のプロ、屋根修理業者の経験値が豊富な会社は、主に3つの業者に分かれます。
それぞれについて、特徴や得意な工事についてまとめていきます。
建築板金工事会社
まずは、建築板金工事会社です。
いわゆる板金工事を得意とする会社で、屋根修理では以下のような修理を中心に請け負ってくれます。
- 金属屋根の工事
- 金属サイディング(金属外壁)の工事
- 破風板板金などの板金巻き工事
- 雨樋の交換
- 棟板金の交換工事
- 新築と改修の両方
- 屋根カバー工法と屋根葺き替え工事
建築板金工事会社は、29種の建設業種「板金工事業」が当てはまります。
現代の屋根は金属屋根が主流となっているため、板金工事会社に依頼することが増えています。
一昔前はスレート屋根なども取り扱っていましたが、現在はほとんど金属屋根が中心のようです。
板金工事会社には、会社の組合組織があるため、ホームページを確認すると近くの板金工事会社を探し出すことができます。
また、板金工事会社は業者の事務所や倉庫にも特徴があります。
板金工事会社は、金属屋根を保管する倉庫を基本的に保有しています。
そのため、屋根付きで3m以上の高さがある倉庫を保有しているところであれば、板金工事会社はである可能性が高くなります。
修理業者を探すにはインターネットが主流となっていますが、まだ板金工事会社の中にはインターネットに情報がない業者もあるため、このように自分の目でも判断できる要素を覚えておくと良いでしょう。
瓦修理会社
次に瓦修理会社です。
瓦屋根も新築では少なくなりましたが、まだまだ数の多い屋根材です。
- 瓦屋根の工事
- アスファルトシングルやスレート屋根の工事
- 石粒付き金属屋根の工事
- 漆喰詰め工事
- 雨樋の交換
- 新築と改修の両方
- 屋根葺き直し工事
瓦屋根修理会社は、文字通り瓦屋根の工事を担う会社です。
そのため、瓦屋根の自宅の方はぜひ瓦屋根工事の専門業者に依頼をしましょう。
また近年では瓦の需要が減っていることもあり、比較的工事が簡単な石粒付き金属屋根への葺き替え工事やカバー工法の工事を推し進める瓦屋根工事会社が増えています。
業者の数も、建築板金工事会社の3倍程度の数があるのが、瓦屋根修理業者です。
そのため、組合の規模も板金工事組合より瓦工事組合の方が大きいです。
瓦屋根修理会社も古くから営業しているところが多く、ホームページがない業者も存在します。
外見からの見分け方としては、瓦屋根が店前に積みあがっていることが多くあります。
また、金属屋根ほど倉庫の天井が高くないため、倉庫も通常サイズであることが多いです。
防水工事会社
最後は、防水工事会社です。
イメージしている屋根の修理とは少し異なるかもしれませんが、防水工事会社は専門性が非常に高い会社です。
防水層の形成などは一般的な修理業者ではタイプができないため、防水工事会社に依頼する必要があります。
- フラットな屋根(陸屋根)の防水層の形成工事
- バルコニーの防水層の形成工事
- アスファルトシングルの工事
防水工事会社は、マンションやビルの屋上の防水層の屋根工事がメインの工事となります。
FRPやウレタン、シートなどを扱って、平坦な部位に防水層を形成させる専門工事を行います。
また、バルコニーの床下も防水工事を行います。
一般的な住宅であれば、防水層そのものをはがしたり、新たに形成する際に、専門の防水職人が施工します。
防水工事会社も、防水工事組合のホームページから防水工事会社を検索することができます。
一般的な住宅で防水工事会社に依頼することは少ないかもしれません。
しかし、万が一防水層などの工事が必要な場合には、ハウスメーカー等に問い合わせてみて、そこから業者に繋いでもらうのも1つの手です。
塗装会社は屋根修理業者とは異なる
ここまで、屋根修理業者を3つ紹介してきましたが、屋根塗装は修理に入らないのか?と疑問に思われた方もいるでしょう。
屋根塗装は修理の一部としても数えられるため、修理業者と思っても不思議ではありません。
しかし、屋根塗装会社を屋根修理業者と思ってしまうと、仕上がりに大きな差が出る危険性があります。
上記で紹介した3つの業者は、すべて屋根に関しての専門性を持っています。
そのため、板金工事会社や瓦屋根業者しかできない工事が存在します。
屋根塗装業者を屋根修理の専門と思い込んでしまうと、専門外の依頼となるため、工事のクオリティに差が出てしまう可能性があります。
もちろん、板金工事会社で一緒に塗装を行ってくれる会社もあるため、塗装をしている会社=専門ではないというわけではありません。
あくまで、屋根塗装が専門にも関わらず、修理もできるとうたっている業者に注意しましょうと言うことです。
建築板金工事は専門性の高い工事です。
餅は餅屋のように、屋根修理業者はぜひ専門性のある業者に依頼をするように心がけましょう。
信頼できる屋根修理業者の見つけ方とは

ここまで工事を依頼すべき業者について解説をしてきましたが、信頼できる業者はどこなのか、その探し方について紹介をしていきます。
冒頭でも述べたように、屋根修理業者は詐欺が非常に多い業界です。
詐欺を未然に防ぐためにも、信頼できる修理業者の探し方について解説をしていきます。
自社サイトの作りがしっかりとしているか
信頼できる業者探しにおいても情報収集をすることはとても大切です。インターネットを用いて検討している業者の公式サイトを検索してみましょう。自社サイトの情報やつくりがしっかりしている業者であれば、ある程度信頼のおける判断材料になります。たとえば、以下に気をつけながらチェックしてみましょう。
- 業者の会社概要が明らかになっているか
- 施工事例や実績を詳しく紹介しているか
- 利用の流れや料金体制など詳しく書かれているか
信用度の目安となるものがあるか
その業者が信頼できる「客観的な根拠」があれば、信頼できる業者の判断材料のひとつとして加えられるでしょう。たとえば、その業者がクレジットカード払いに対応しているかといった点。業者がクレジットカード払いを取り扱うには、カード会社から信頼を得られないとできないため、信頼度をはかる基準の“ひとつ”となるのです。
ただし、「クレジットカード=信用度が高い」と安易に考えてしまわないようにご注意ください。世の中にはフィッシング詐欺という、クレジットカード会社を偽ってメールなどの連絡を取り、カード番号などの入力をうながして情報を盗む悪質なものもあるからです。
また、この件以外にも言えますが、1点だけを見て安易に結論づけるのは詐欺に遭うリスクという意味ではあまりよいものではありません。あくまで1つの情報は参考程度としてとどめておき、ほかの情報とも照らし合わせながら総合的に検討することが、物事の判断をするうえで大切になるのです。
工事料金が適切な相場であるか
提示された修理費用が相場と大きくかけ離れていないかといった点も重要です。
以下に業者に依頼するときの費用相場についてまとめましたので、参考にしてみてください。
工事内容 | 工事相場 |
DIYで修理 | 3~5千円 |
コーキング補修 | 2~6万円 |
テープ補修 | 2~4万円 |
ブルーシート補修 | 2~8万円 |
屋根の差し替え | 4~20万円 |
棟板金の交換 | 4~15万円 |
瓦の葺き直し | 20~50万円 |
瓦の漆喰詰め | 4~20万円 |
棟瓦の積み直し | 4~15万円 |
谷樋板金の交換 | 5~20万円 |
雨どいの部分補修 | 2~8万円 |
雨どいの全部交換 | 18~30万円 |
軒天の部分交換 | 2~8万円 |
破風板板金巻き | 15~30万円 |
工事内容 | 工事相場 |
屋根塗装 | 15~25万円 |
屋根カバー工法 | 90~110万円 |
屋根葺き替え | 100~140万円 |
屋根葺き替え(石綿入り) | 130~170万円 |
屋根葺き替え(土葺き) | 160~200万円 |
詐欺業者は工事の料金を極端に高く設定していたり、反対に極端に安く設定していることがあります。
安いのは魅力的ですが、後々に追加料金を請求されるケースも多くあります。
まずは、屋根修理の相場をしっかりと確認し、大きくかけ離れていないかを確認しましょう。
詐欺に遭わないよう心掛けること3つ

突然の電話やメール、訪問などの詐欺の被害に遭う可能性のある出来事は、ある日突然起こるものです。
そんなとき、つい相手の話の流れに惑わされてつい契約や支払いをしてしまわないようにしましょう。
そのためには、これからご紹介する3つのことを心掛けておくのが大切です。
その場で安易な判断はしない
詐欺業者は、人の弱みや心理につけこんで勧誘して契約を急かすことがあります。
もし、「この業者は怪しい」と感じたら、話に流されて契約しないように決断を先送りにしたり、キッパリと断ったりすることが大切です。
ただし、角の立つ断り方をしてしまうと、それが原因で別のトラブルが発生しかねないので言い方に気をつけなければなりません。
インターネットで情報収集をする
かかってきた電話番号や営業に来た会社名が判明しているのであれば、インターネットなどを使って情報収集する癖をつけておくことをおすすめします。
念のため検索してみると、じつは詐欺業者からの電話番号であることが分かったり、実際に被害に遭った人の口コミなどが見つかったりするかもしれないからです。
そして可能な限り名刺はもらうようにしましょう。
持っていないとごまかす可能性もあるため、名前や会社名はメモをしておくようにします。
このように、現状で把握できる範囲での情報をもとに、インターネット検索などを利用して調べていくことで、さまざまな情報が得られることもあります。
あらかじめ情報をしっかりと把握しておけば、冷静な対処がしやすくなるでしょう。
別の業者にも点検してもらう
屋根の劣化を指摘されたら、他の業者にも点検してもらいましょう。
これは見積もりを取る意味合いと、本当に修理が必要かを判断するためです。
屋根の劣化は素人目にはわからないところもあるため、複数のプロに判断してもらうことが良いでしょう。
業者の点検結果に疑問を持った場合は、別の専門知識を持った業者に意見を聞くことも間違った対応を防ぐために大切な対処です。
まとめ
今回は、屋根修理業者の選び方や特徴について解説をしてきました。
屋根修理業者は免許等の資格が必要ない分、数が非常に多い業界です。
業界内の競争が激しくなり、依頼者側のメリットも多くなる一方で、いわゆる詐欺業者も多い業界です。
まずはこの詐欺に十分気を付け、自分の納得する形で工事を依頼するようにしましょう。
金額の大きな工事を依頼することも多いと思いますので、自分一人で決めるのではなく、
必ず周りの方に相談しながら決めていってください。
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