「屋根が壊れてしまったので修理をしたい。」
「雨漏りしてきて困っている。」
このような悩みを抱えている方もいらっしゃると思います。
屋根の修理をする場面はあまり多くないため、基本的な知識についてなかなか学べる機会も少ないでしょう。
そこで今回は、屋根修理に関する基本的な知識について詳しく解説をしていきます。
費用相場やどのような業者が対応してくれるのかについても解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
Contents
屋根修理は部分修理とリフォームの2種

屋根修理は大きく分けると2つ方法があり、部分修理とリフォーム修理、それぞれで費用や工事の方法が異なります。
こちらについて詳しく解説をしていきましょう。
屋根の部分修理
最小限の費用で屋根を修理したい人は、部分修理を選択しましょう。
これは台風や地震で屋根が剥がれてしまったときの応急処置や屋根の一部差し換えなどが該当します。
比較的安価で対応ができる一方で、応急処置であるため、長期的にみると再度修理が必要になる可能性があります。
修理箇所によっては、DIYで修理できる場所もあるため、損傷具合をよく確認してみましょう。
DIYに関しては、こちらの記事もご確認ください。
⇒屋根修理は自分でDIYできる?必要な工具や方法を詳しく解説!
リフォーム
1度の工事で長期間の安全を確保する場合には、リフォームを選択しましょう。
部分修理と比較すると、料金はかなり高額となりますが、長期間の安心を買うことができます。
台風などで屋根に大きな被害を受けてしまった場合や、築年数の長い屋根の場合はリフォームすることで屋根の耐久性を戻すことができます。
大規模な工事になるため、日数も数日から、数週間掛かる作業もあります。
部分修理の主な修理方法

では、部分修理で良く行われる修理方法についてそれぞれ確認していきましょう。
屋根の応急処置
応急処置は、台風や地震ではがれたり、崩れた屋根を一時的に保護します。
代表的な処置としてはブルーシートをかぶせる方法があります。
これは修理することを前提とした応急処置であるため、長期間このままというわけにはいきません。最終的にはしっかりと修理するようにしましょう。
屋根の差し替え/テープ補修
屋根を数枚差し替えたり、接着剤でくっつけたりします。
こちらの補修も簡易的なものであるため、再度同じような修理が必要になることがあります。
棟板金の交換
棟とは屋根のてっぺんの部分を表しています。
瓦屋根では棟瓦(むねがわら)、コロニアルでは棟板金(むねばんきん)が棟に取り付けられています。
こちらは風の影響を受けやすいため、はがれ落ちてしまうことが多い部位です。
台風などで剥がれてしまうことがあるため、災害後には屋根の上を確認すると良いでしょう。なお、台風による棟の不具合は、火災保険が適用されることがあります。
雨どいの修理・交換
雨どいの修理・交換も良く行われる工事です。
難しい作業ではないため、費用を抑えて修理することができます。
また、DIYでも詰まりの除去や補修はできるため、安全に作業ができる環境であれば自分で修理しても良いかもしれません。
DIYに関しては、こちらの記事もご確認ください。
⇒屋根修理は自分でDIYできる?必要な工具や方法を詳しく解説!
リフォームの主な修理方法

次に、リフォームで良く行われる修理方法についてそれぞれ確認していきましょう。
屋根リフォームをする一番の目的は、屋根材の下に敷く防水シート(ルーフィング)を回復させることです。
雨漏りを最終的に防いでくれるのがルーフィングであるため、非常に重要な役割を果たしています。
建築後20年以上が経過した屋根は、ルーフィングの劣化が進行しているため、リフォーム等で修理する必要があります。
屋根カバー工法
屋根修理のリフォームで用いられることが多い手法の1つが、屋根カバー工法です。
この工法は、今取り付けてある古い屋根の上に軽い金属屋根をかぶせる工事方法です。
古い屋根をそのままにして工事ができるため、工事期間や屋根をはがす手間を抑えることができ、コストを比較的安く抑えることができます。
ただし、屋根の種類によってはカバー工法で修理できないものもあります。
例えば、瓦屋根は屋根面がフラットになっていないため、カバー工法を行うことができません。さらに、経年劣化がひどく屋根の下地が傷んでいるような屋根は、カバー工法では対処ができないため、屋根をまったく新しいものにする必要があります。
屋根のカバー工法については、以下の記事も参考にしてください。
屋根の葺き替え
葺き替え(ふきかえ)とは、古い屋根をはがして新しい屋根にすべて取り換えるリフォームです。
すでに張ってある屋根材をすべてはがし、屋根の下地である防水シート(ルーフィング)下地を交換・補修し、新しい屋根材を葺きます。
屋根のリフォームでは最も規模が大きく、日数や金額もかなり大きく掛かります。
ただし、屋根を新品同様にできるため、不安を一気に取り除いてくれる工事です。
屋根塗装
また、リフォームでは屋根の塗装もよく見られます。
足場を組んで作業を行うため、同時に外壁塗装や棟板金の交換を一緒に行うことが多いです。
良く行われる方法ではありますが、屋根の塗装の目的はあくまで外観をよくすることがメインとなります。
そのため、屋根塗装をするだけで屋根の寿命が延びたり、不具合が改善されることは無いと考えておきましょう。
よく使われる4つの屋根材
屋根材は大きく分類すると、「スレート」「瓦」「金属屋根」「アスファルトシングル」の4種類があります。
それぞれについて、特徴を見ていきましょう。
スレート屋根(コロニアル)
スレート屋根は平らな薄い板のような屋根材で、主にセメントで作られています。
コロニアルは、ケイミュー(株)が取り扱うスレート屋根の商品名です。
軽量で施工性がよく、高度経済成長期以降の戸建住宅で急速に普及しました。
そのため、現在でも商品名が一般的に浸透しています。
スレート屋根は、屋根が割れたり、風で飛ばされたりといった修理依頼が多くあります。
瓦屋根
瓦屋根は、戸建て住宅で最も普及しており、今なお人気の屋根材です。
耐久性は50年程ある一方で、地震や台風の影響で損傷することが多い屋根材です。
かなり重い材質で、屋根の形も平らにならないため、カバー工法で修理ができないといったデメリットがあります。
また瓦屋根は、従来の瓦の留め方が見直され、2022年に瓦の施工方法について建築基準法が約50年ぶりに改正されました。
従来は瓦を重ねて組み合わせるだけで固定していましたが、新しい建築基準法では、すべての瓦を固定することが義務化されました。
金属屋根
金属屋根は、いわゆるトタン屋根が代表的な屋根材です。
非常に軽く、費用を抑えることができる一方で、サビが発生しやすく、屋根に穴が開いてしまったり、塗装を定期的に行う必要があります。
しかし、現代では耐久性の高いガルバリウム鋼板が登場したことにより、一気にシェアを伸ばしています。
新築物件や改修などでは、シェア率ナンバーワンの屋根材です。
アスファルトシングル
アスファルトシングルはガラス基材にアスファルトに含ませ、表面に石粒を吹き付け接着する屋根材です。
主に北米で人気の屋根材で、100年以上前から使用されていました。
日本でも2007年の建築基準法の改正で、使用ができるようになりました。
薄くて軽い材質ですが、強風で剥がれてしまう損傷が多い屋根材です。
屋根修理の費用の目安
工事内容 | 工事相場 |
DIYで修理 | \3,000~\5,000 |
コーキング補修 | \20,000~\60,000 |
テープ補修 | \20,000~\40,000 |
ブルーシート補修 | \20,000~\80,000 |
屋根の差し替え | \40,000~\200,000 |
棟板金の交換 | \40,000~\150,000 |
瓦の葺き直し | \200,000~\500,000 |
瓦の漆喰詰め | \40,000~\200,000 |
棟瓦の積み直し | \40,000~\150,000 |
谷樋板金の交換 | \50,000~\200,000 |
雨どいの部分補修 | \20,000~\80,000 |
雨どいの全部交換 | \180,000~\300,000 |
軒天の部分交換 | \20,000~\80,000 |
破風板板金巻き | \150,000~\300,000 |
工事内容 | 工事相場 |
屋根塗装 | \150,000~\250,000 |
屋根カバー工法 | \900,000~\1,100,000 |
屋根葺き替え | \1,000,000~\1,400,000 |
屋根葺き替え(石綿入り) | \1,300,000~\1,700,000 |
屋根葺き替え(土葺き) | \1,600,000~\2,000,000 |
屋根修理業者の選び方

それでは、屋根修理業者の選び方について解説していきます。
屋根修理業者に依頼しよう
屋根修理に関しては、やはり専門業者に依頼するのが最も安心です。
屋根修理業者は大きく二つに分けられ、板金工事会社と瓦葺き工事会社があります。
板金工事業者は金属屋根を専門に取り扱っており、瓦葺き業者は瓦屋根を専門に取り扱っています。
そのため、自分の家の屋根材や、リフォームしたい屋根材に合わせて業者を選ぶ必要があります。
なお、スレート屋根とアスファルトシングルに関しては、板金工事会社でも瓦葺き工事会社でも改修工事を行うことが可能です。
近年では金属屋根の需要が高まっているため、板金工事業者への依頼が多くなっていますが、瓦葺き業者でも一部の簡単な施工であれば請け負ってくれることがあります。
使用する屋根材や修理内容に合わせて、それぞれの業者に相談をしてみましょう。
複数社見積もりを取ってから依頼することが大切ですので、金属屋根だから瓦屋根だからと先入観を持たずに相談してみてもいいかもしれません。
板金工事会社について
板金工事会社とは、29ある建設業の許可のうち、板金工事業の許可証(金属屋根と金属外壁工事の技術)を有する会社を示しています。
例えば、公共工事やハウスメーカーの下請け業者なども、板金工事の資格を持っています。
板金工事業の許可証は「国土交通省」のウェブサイトから検索することができるため、近所の板金工事業者を探してみるのも良いでしょう
⇒国土交通省HP
外壁塗装会社の屋根修理に注意
近年では外壁塗装と屋根カバー工法などを、セットで販売する塗装会社が急激に増えているようです。
外壁塗装は足場を組み立てて作業をするため、外壁塗装と屋根修理を同時に行うのは非常に効率的です。
しかし、外壁塗装と屋根修理は全く別物であるため、それぞれ別々の業者が工事を請け負うことになります。
そのため、塗装業者が屋根修理を下請け業者に丸投げし、正しい工事が行われずにトラブルになったというケースも増えているようです。
効率的に作業ができることは大切ですが、工事の品質が最も大切です。
餅は餅屋という言葉があるように、それぞれの業者にしっかりと意見を聞いたうえで依頼をするようにしましょう。
まとめ
今回は屋根修理の基礎について詳しく説明をしてきました。
日本は台風や地震などの自然災害が多い土地ですので、屋根修理を依頼することも出てくると思います。
屋根修理は金額や日数が掛かる工事となるため、しっかりと基礎知識を持ったうえで、工事を検討すると良いでしょう。
不明な点や心配な点は、ぜひ相談をしてください!
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