雨漏り修理の期間と日数はどれくらいかかるのか?工期の目安について詳しく解説

修理工事

雨漏りの修理を依頼してから、完了までどれくらいの時間がかかるのか気になる方も多いと思います。
雨漏り修理は大がかりな工事になる場合もあるため、日常生活にどこまで支障が出るのか、周辺に迷惑は掛からないかなど、気にするポイントがいくつも出てきます。
安全に修理をするためであるため、仕方のないことではありますが、おおよその日程を知っておくことで事前に対策をとっておくことが可能です。
そこで今回は、雨漏り修理に関わる工事についての作業日数や期間、工期について解説をしていきます。
これから雨漏りの修理を依頼する方は、ぜひ参考にしてみてください。

住宅タイプ別の工期について

戸建て

では、まずは住宅のタイプ別に雨漏り修理にかかる工期について見ていきましょう。

戸建て住宅の場合

戸建て住宅の場合は、修理内容によって1日で終了できるものから、最大で2週間程度の期間が必要となります。
例えば、瓦屋根のちょっとしたズレの修正や、簡単なコーキング程度であれば1日で作業が終了します。
しかし、屋根全体の修復が必要となり、足場を組んで作業がすることが必要になると、最低でも2週間程度が必要となります。
また屋外でなくても、家の天井から雨漏りがした場合は、1週間~3週間程度が必要となります。
屋根やベランダ、劣化した外壁など原因を特定し、コーキングでふさぎます。
ベランダからの雨漏りは、1〜5日の修理期間が必要です。
排水口が詰まった程度であれば1日で終了しますが、防水加工をし直す作業が必要な場合は、5日程度が必要となります。
外壁が原因の雨漏りは、3日〜2週間程の期間が必要です。
屋根の工事と同じように足場を組むことが多く、大規模な工事になります。
窓枠・サッシからの雨漏りは、外壁と窓枠の間のスキマを埋める作業であれば1日程度、劣化したサッシの交換であれば3日程度必要です。

マンション・アパートなどの集合住宅の場合

マンションやアパートの場合は、主に屋上やベランダの雨漏り修理が行われます。
屋上やベランダの場合は、面積にもよりますがおおよそ2日~10日程度の期間が必要です。
防水の補修・再施工が必要となり、施工されている防水方法によっても修理期間が変わります。
また、シート防水であれば劣化したシートの貼り替えが必要です。
こちらは2日~5日程度かかります。
ウレタン防水の場合は、防水塗料の再塗装であれば最低4日以上、下地の防水シートの修理が必要であれば10日程度かかります。
ベランダでよく用いられるFRP防水の場合は、期間は2〜3日が必要です。

外壁からの雨漏りの修理は、こちらも広さや構造により期間が変わります。
建物全体の再塗装であれば2週間程度、タイルをはがして行うようなより大規模なものであれば、1か月程度は期間が必要です。
窓枠・サッシからの雨漏りの修理は、戸建ての場合と同じく1〜3日間で修理は完了します。

雨漏り修理の一般的な流れ

それでは雨漏り修理の一般的な流れを解説し、どのような工事になるのかを把握しておきましょう。
おおよその期間も記載しますので、参考にしてみてください。

まずは、雨漏りの調査を行い、どこから雨漏りがしているのか、どのように作業を進めていくかを決定します。
これは、おおよそ1日程度かかります。
雨漏りの特定方法には以下のような手法があります。

現場調査・作業内容決定(期間:1日程度)

業者訪問
  • 目視調査
  • 散水調査
  • 解体調査
  • 赤外線サーモグラフィー調査
  • ファイバースコープ調査

目視だけで簡単に見つけられるものもあれば、実際に水を流して雨漏り箇所を特定する方法や、赤外線などを使用した方法など様々です。
雨漏り箇所を特定する作業はプロであっても困難な場合が多いため、様々な手法が用いられます。

雨漏り箇所を無事に発見できれば、どのように修理していくかを決定します。
これはしっかりと修理業者と相談の上、金額や工法など納得の行く方法を選んでいきましょう。

足場を組む(期間:1日)

屋根修理足場

修理箇所によっては、足場を組む必要が出てきます。
これは、厚生労働省が策定した安全基準法にも下記の通り記載されているため、業者が守らなければいけないルールとして定められています。

労働安全衛生規則(作業床の設置等)第五百十八条

事業者は、高さが二メートル以上の箇所(作業床の端、開口部等を除く。)で作業を行なう場合において墜落により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、足場を組み立てる等の方法によ り作業床を設けなければならない。

2 事業者は、前項の規定により作業床を設けることが困難なときは、防網を張り、労働者に要求性能墜 落制止用器具を使用させる等墜落による労働者の危険を防止するための措置を講じなければならない。
引用元:労働安全衛生規則

足場の工事は組み立てと解体、それぞれ半日から1日程度掛かります。
この足場の工事が完了してから実際の修理に入ります。

 作業内容 作業日数
足場の組み立て
半日~1日
足場の解体 半日~1日

屋根の修理

棟板金工事

屋根修理は大きく分けると部分修理とリフォーム修理の二つに分けられます。
部分修理はリフォームと比べると、費用や日数がかからない簡単な工事のことを指します。
そのため、長くても数日で完了する工事が多いです。

 作業内容 作業日数
応急処置
1日
部分補修 1日~2日
棟の交換 1日~2日
漆喰詰め 1日~3日
瓦の葺き直し 3日~5日
屋根カバー工法

一方で、リフォームは部分修理と比べると大がかりな修理で、日数や費用も増える工事です。
代表的なリフォームとしては、屋根カバー工法、屋根の葺き替え、外壁のリフォームがあるため、それぞれに掛かる日数を見ていきましょう。

 作業内容 作業日数
足場組立
1日
金属屋根(石粒付き金属屋根) 4日~7日
アスファルトシングル 5日~8日
金属屋根(断熱材一体型) 5日~8日
足場解体 1日

屋根カバー工法は、古い屋根のうえに軽い屋根を張ってかぶせる工事方法のことです。
屋根リフォームの中では比較的、工事費用と工事期間を抑えることができる工法です。
屋根の種類にもよりますが、現在では多く採用されている工法です。

屋根葺き替え
 作業内容 作業日数
足場組立
1日
屋根はがし 1日
下地調整(状況に応じて) 1日
金属屋根(縦葺き) 5日~7日
金属屋根(石粒付き金属屋根) 5日~9日
金属屋根(断熱材一体型) 7日~10日
瓦屋根 8日~11日
足場解体
1日

屋根の葺き替えは、既存の屋根をすべて剥がして新しい屋根に入れ替える工法です。
カバー工法とは異なり、すべて屋根を外してから作業をするため、日数も費用も掛かります。
しかし、屋根の問題をすべて綺麗に解決できるメリットがあります。
屋根の種類によって工期は様々ですが、足場組立前後のブランク日や雨天日の影響を考慮すると葺き替えは約2週間~20日ほど掛かるのが一般的です。

外壁の修理

外壁塗装

屋根の修理が完了すると、次は外壁の修理工事です。

  • ひび割れ補修(1週間程度)
  • 外壁塗装塗り替え(1週間~2週間程度)
  • 外壁材の張替(2週間~4週間程度)
  • サッシの水切りコーキング(3週間程度)

こちらは必要に応じて修理が必要となります。
原因箇所は最初の段階で、屋根にあるのか外壁にあるのかしっかりと確認をしておきましょう。

内装工事

雨漏り

屋根や外壁の修理が完了したら、続いては内装工事です。
屋内の天井クロスや天井の材料を交換、修理していきます。

  • クロス張替え(1日~1日半)
  • 天井修理(部分修理:3日程度、全体修理:2週間程度)

クロスや天井材は、雨水を吸うことで変色や剥がれ、カビに繋がります。
こちらは機能性よりも見た目の修理がメインとなるため、金額等を検討して相談してみてください。

工期に影響がある6つのケース

困る女性

ここまで、おおよその工事に掛かる期間について説明をしてきましたが、場合によっては工期が伸びてしまうケースがいくつか存在します。
前もって知識として入れておくことで事前に対策ができますので、確認をしておきましょう。

天候不良

大雨や大雪、風が強いといった天候不良の時は工事がストップします。
安全第一に行うことが鉄則ですので、無理に工事を行ってもらうよう急かすことはやめましょう。
依頼する際にも、冬や台風の時期をずらしたりすることで、工事をスムーズに行える可能性が高まります。

屋根の勾配や屋根面の数

屋根修理の場合は、屋根の勾配(6寸以上)が急な場合、作業効率が悪くなるため工事日数がかかります。
屋根面が多く、複雑な形状をしているほど、屋根工事の期間は長くなります。
これらは、職人の技術も関係してくるところですので、見積もりの際にしっかりと相談しておきましょう。

屋根や外壁の劣化状況

修理箇所の劣化状況によっては工数が大幅に変わることがあります。
雨漏りが浸透して、下地の劣化が激しい場合には追加の工事が必要となり、日数も合わせて伸びていきます。
これは実際に屋根に上って点検をしないとわからないところですので、見積もり段階で屋根の状態をしっかり確認してもらうようにしてください。

周辺環境の整備がされているか

駐車場のあるなしや、近隣の道路状況によっては、作業効率が落ちてしまう場合があります。
工事を依頼するときには、周辺の道路状況も加味しながら話を進めていくと良いでしょう。

雨漏り修理には火災保険が使えるかも?

火災保険

さてここまで、雨漏り修理にかかる期間について解説をしてきました。
期間も大事ですが、費用も気になるところであると思います。
その中で、雨漏り修理では火災保険が使える可能性があるため、こちらで紹介をしていきましょう。
火災保険は、火災だけでなく自然災害等で建物や家財に被害があった場合にも補償を受けることができます。そのため、屋根修理では、火災保険が適用できる場合があります。
ただし火災保険の内容によって補償内容は異なりますので、具体的な内容については保険条項や保険会社へ確認してください。
まずは、自分が加入している火災保険を確認し、保険会社やハウスメーカーなどに問い合わせてみるとよいでしょう。
火災保険の適用条件としては、以下のような条件があげられます。

  • 風災、雪災、雹災の被害であること
  • 修理費用が20万円以上
  • 被害発生後3年以内であること
  • 屋根が契約書の保険適用対象になっていること

上記の条件を満たす場合であれば、火災保険が適用される可能性があります。
特に、該当箇所が火災保険の対象になっているかは、加入している火災保険の内容によって異なりますので、保障内容を確認するか保険会社に問い合わせてみましょう。
また、火災保険が適用されるかは保険会社の判断です。
保険が下りることを見越して工事をしてしまうと、適用外であった場合にすべて自己負担となってしまいます。
火災保険を使用して工事を行う場合は、必ず適用が決まってから工事を依頼するようにしましょう。
火災保険に関しては、以下の記事も参考にしてください。
雨漏り修理雨漏りで火災保険は使えるのか?申請方法や適用条件について解説します

まとめ

今回は雨漏りの修理期間について解説をしてきました。
費用も大事なポイントとなりますが、どれくらい工事が掛かるのかも依頼する側にとっては大切な情報です。
雨漏り修理は1日、2日で終わるものは少なく、1週間程度工期が必要な工事が必要になります。
工事を依頼するときには、予定機関よりも1週間~2週間程度は余裕を持ったうえで、相談をしてみましょう。
安全に工事をするためにも、期間に対してはしっかりと修理業者と相談して決めていきましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です