建物の雨漏り被害の中でも相談が多い箇所が窓枠やサッシからの雨漏りです。
雨漏りは天井からぽたぽたと水が垂れてくるところをイメージする方も多いと思いますが、実は窓のサッシから雨水が漏れているということも非常に多いです。
雨の日にいつの間にか窓際が濡れてしまっているという場合は、実は窓から雨漏りがしている可能性が高いです。
意外と気付きにくい雨漏りの箇所ではありますが、放置してしまうと建物を腐食させる原因となるため、早急に対応をしていきましょう。
こちらの記事で対処法や費用について解説をしていきますので、是非参考にしてみてください。
Contents
窓からの雨漏りの原因について

窓からの原因はいくつかあり、イメージしやすいのはサッシ部分からの雨漏りです。
サッシとは窓枠の部分を主に示しており、窓は窓ガラスとサッシから出来ています。
こちらでは、主にサッシからの雨漏りの原因について解説をしていきます。
コーキングの劣化
まずはコーキングの劣化です。
コーキングは隙間を埋める際に使われており、サッシ周りの隙間には必ずこの処理が施されています。
このコーキングを行うことで、雨水の侵入を防いでいます。
しかしコーキングはゴム製の素材で出来ており、時間の経過とともに劣化していきます。
時間が経過すると徐々に硬化していき、ヒビ割れに繋がります。
ヒビ割れが進行すると、隙間から雨水が侵入してくるため、効果が無くなってしまいます。
コーキングの耐用年数は、おおよそ5年から10年と言われているため、メンテナンスをしばらく行っていない方は、このコーキングの劣化をまず疑いましょう。
外壁のヒビ割れ
外壁のヒビ割れも雨漏りの原因として多い箇所です。
特に最近では、窯業系サイディングボードが主流となっており、塗装が劣化して雨水を吸収し、乾燥によってヒビ割れが起こりやすくなっています。
基本的に外壁は、内部に防水シートが施工されているため、多少のヒビ割れが雨漏りに発展することはありません。
しかし、サッシ周りには防水シートが施工されていないため、その隙間から雨水が侵入してくることがあります。
外壁のヒビが徐々に大きくなり、最終的にサッシ付近にまで広がってしまうと、雨漏りに繋がってしまいます。
窓近くの屋根
外壁と同じく、壁に取り付けられた屋根からヒビ割れが広がり、サッシから雨漏りする可能性も考えられます。
もっともイメージしやすいのは、屋根につけられた天窓から雨漏りがすることです。
天窓の雨漏りについては、以下の記事も参考にしてください。
⇒天窓からの雨漏りの対処方法とは?原因や修理方法について詳しく解説
屋根も外部に露出しているため、ヒビ割れの可能性は十分に考えられます。
特に窓に小さな屋根が付いているような住宅は注意が必要となります。
屋根の破損が直接雨漏りにつながる可能性があるため、充分に注意しておきましょう。
引き違い窓のサッシ部分
引き違い窓とは、2枚以上の窓を交差して開け閉めができる窓のことです。
多くの住宅で設置されており、普段から目にしていることも多い窓でしょう。
この引き違い窓の2枚の窓の境目には、交差がスムーズになるための隙間があります。
この隙間部分から雨漏りがする可能性があります。
特に風が強く横殴りの雨の場合は、この部分から雨水が吹き込む可能性があります。
これは不具合ではないため修理の必要はありませんが、明らかに隙間が空いている、隙間のゴム状の部分が明らかに劣化しているような場合は修理が必要となります。
施工不良
コーキングや防水シートの劣化ではなく、業者の施工不良が雨漏りの原因となることがあります。
防水シートの貼り忘れや、コーキング漏れなどは施工不良として稀に起こります。
新築後直ぐの雨漏りや、修理やリフォーム直後に雨漏りが発生するようなときは、施工不良の可能性を疑いましょう。
直ぐに担当した業者に連絡を入れて、一度点検してもらうことをおススメします。
換気扇や配管
窓とは異なりますが、近いという点で換気扇や配管部分から雨水が吹き込むことがあります。
通常は外部から雨水が侵入しないような設計となっていますが、思わぬ角度からの雨水が吹き込んでくる可能性も考えられます。
窓付近の雨漏りは、サッシ部分の雨漏りに着目するだけでなく、換気扇や配管にも問題が無いか確認した方が良いでしょう。
窓からの雨漏り被害について

窓からの雨漏りは被害が少ないことが多く、都度タオルで拭いて、修理せずに放置する方もいらっしゃいます。
しかし、放置してしまうと小さな窓からの雨漏りが大きな被害を起こしてしまう可能性があることは、十分知っておきましょう。
雨漏りの水は、室内を濡らすだけでなく建物の内部にも浸透しています。
これは床から浸透するだけでなく、ヒビ割れ部分から家の内部、骨組み部分まで浸透してしまう可能性があります。
これを放置してしまうと、カビが繁殖したり、腐食に繋がってしまいます。
カビや腐食が広がると、最悪の場合は安全性が確保できずに住めなくなってしまうという事態にもなりかねません。
見えていない部分ではありますが、実は大きな被害となっている可能性は充分に考えられます。
途中で気付いてから工事するとなると、かなり高額な費用になるため、なるべく初期段階に修理をしておく必要があります。
小さな雨漏りであるからと放置せずに、雨漏りが発生した時にはなるべく早く修理を依頼するようにしましょう。
雨漏りの修理方法

では具体的に雨漏りの修理方法について確認をしていきましょう。
コーキング材の充填・打ち替え
まずはコーキング材の充填や打ち替えです。
サッシからの雨漏りの原因としてもっとも多いのが、このコーキング材の劣化です。
この場合は、新しくコーキング材を打ち替える、もしくはコーキング材を充填していきます。
打ち替えの場合は、現状の劣化したコーキング材を撤去して、そこから新しいコーキング材を充填していきます。
コーキングが新しくなるため、雨漏りは確実に止めることができます。
古いコーキングを取り除かずに充填する方法もありますが、既存のコーキング材と馴染まなかったり、直ぐに剥がれてしまう可能性もあるため、あくまで応急処置として使いましょう。
外壁や屋根の修理
窓枠の修理も大切ですが、外壁や屋根の修理も必要となる場合があります。
外壁の場合は、外壁材の張り替えや防水シートの補修、屋根の場合は屋根材の交換やこちらも防水シートの補修などが考えられます。
外壁の修理の際、塗装で雨漏りが直ると考えてる方もいるかもしれませんが、これは根本的な解決にはなりません。
一時的には塗装部分が塞がれますが、ヒビ割れが残ったままになるため、雨漏りの原因は解決されていません。
長期的なリスクを減らすためにも、外壁の修理まできちんと行った上で雨漏り修理を行いましょう。
窓からの雨漏りの応急処置について

実際に窓から雨漏りが起こってしまった場合、どのような応急処置ができるのかについて見ていきましょう。
本来は直ぐに修理業者へ依頼した方が安心ですが、すぐに駆け付けてくれるとは限りません。
そこで、自分で出来る応急処置を確認しておきましょう。
スポンジや雑巾で雨水を受け止める
雨水が漏れている個所は、雑巾やスポンジ、バケツなどを使って雨水を受け止めましょう。
一番基本的な応急処置ですが、雨漏りの被害が家財、家電まで広がることを防ぎます。
スポンジや雑巾は定期的に交換して、被害が拡大しないように注意します。
まずは、入り口としてこれらの対策を行うようにしましょう。
雨戸を取り付ける
窓からの雨漏りの場合は、雨戸を取り付けることで一時的に雨漏りを抑えることができます。
多くの家庭で雨戸は設置されているため、まずは雨が降っている間は雨戸を締めておきましょう。
もし雨戸が設置されていない家庭でも、その殻ベニヤ板を立てかけたり、窓の部分を塞ぐことで雨水の侵入を多少抑えることができます。
防水テープで雨漏り箇所をふさぐ
雨漏りの箇所がわかっている場合、防水テープを使って補修することができます。
該当箇所にテープを張るだけですので、非常に簡単な作業です。
しかし、ただ張るだけでは浸食が進んでしまうため、該当箇所を綺麗にしてから補修するようにしましょう。
また、ふさぐ箇所が多い場合は手間が掛かる点も注意しましょう。
コーキング補修をする
コーキングはDIYでも可能です。
ここまで紹介した作業の中では、最も高い効果があります。
ただし、コーキングには多くの工具が必要となるため、手間や費用が掛かる点が難点です。
主な必要工具は、コーキング材・コーキングガン・プライマー・ハケ・マスキングテープ・ヘラといったものが必要となります。
また、作業手順も工数が多くなるため手間がかかります。
コーキング補修する手順
- 紙ヤスリで補修箇所を掃除
- 補修箇所の“周囲”をマスキングテープで覆う
- 補修箇所をプライマーで塗る
- コーキング剤で補修箇所を埋める
- ヘラでコーキングをなじませる
- 約1~2日乾燥させ、マスキングテープをはがす
雨漏り修理相場

それでは、窓の雨漏りの修理相場について解説をしていきます。
合わせて外壁修理の金額も記載します。
こちらは一般的な相場観を記載しているため、あくまで参考程度としてください。
実際の金額は、修理箇所の大きさ、被害状況などから提示されます。
しっかりと複数業者から見積もりをとった上で、工事を依頼するようにしましょう。
サッシ・窓枠からの雨漏り
工事内容 | 費用相場 |
窓上の屋根修理 | 20万円〜50万円 |
コーキングの打ち替え | 5万円〜10万円 |
窓の交換工事 | 30万円〜50万円 |
外壁の雨漏り
工事内容 | 工事相場 |
コーキング・ヒビ割れ補修 | 5万円~10万円 |
コーキングの打ち替え | 10万円~50万円 |
外壁塗装 | 60万円~160万円 |
外壁全体の張り替え/重ね張り | 120万円~300万円 |
雨漏り調査 | 0円~10万円 |
雨漏り調査は、赤外線調査や散水調査など、調査方法によって金額が変わります。
まとめ
今回は窓からの雨漏り修理について解説をしてきました。
窓の雨漏りはサッシが原因となる場合や、外壁が原因となる場合など様々あります。
どちらの場合も、放置してしまうと最終的に被害が大きくなってしまうため、雨漏りを発見した場合には、まず応急処置をしてから、修理業者に依頼するようにしましょう。
早期に対応することが雨漏り修理の鉄則ですので、ぜひ雨漏りで悩んでいる方は修理業者に相談してみてください。
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