屋根修理は生活に関わる重要な工事ですが、詐欺が横行している工事でもあります。
被害は増加傾向にあるため、工事を依頼するときには充分注意をしなければなりません。
しかし場合によっては、詐欺とは気付かずに工事が進んでしまう場合もあります。
このような時に助けとなるのが、クーリングオフの制度です。
今回は、屋根修理に関してのクーリングオフについて詳しく解説をしていきます。
ぜひ参考にしてください。
Contents
クーリングオフとは

クーリングオフとは、屋根修理やリフォーム工事等を契約した消費者が「契約後8日以内」であれば、契約を強制的に解除できる制度のことです。
マルチ商法やモニター契約、内職商法等の場合は契約後20日以内が申請期間ですが、屋根修理や外壁塗装、リフォーム工事の場合は、一般的に8日以内に申請する必要があります。
契約をしてしまったけれど、思いが変わった、再度検討したいといった場合は、クーリングオフが消費者を守ってくれます。
ただし、消費者を守るための精度ではありますが、ルールにしっかりと則って利用する必要があります。
すべての場合で制度を使えるわけではありませんので、条件をしっかりと確認して利用をしていく必要があります。
クーリングオフの適用条件
具体的にクーリングオフが利用できる条件についてそれぞれ確認をしていきましょう。
業者と契約してから8日以内である
まずは、業者と契約してから8日以内であるということです。
通常の契約であれば、契約書内にクーリングオフに関しての記載があるはずです。
もし、クーリングオフに関する記載が書面に記載されていなければ、8日を過ぎても適用される可能性があります。
契約書は細かい内容が多いため、確認が疎かになってしまうこともありますが、しっかりと内容を確認するようにしましょう。
業者の事務所や営業所で契約を交わしていない
業者の事務所や営業所等で契約を交わしていなければ、クーリングオフが適用されます。
これは、事務所や営業所で契約を交わすと、契約者に契約の意思があったと判断され、無理矢理契約をさせられた訳ではないと判断されてしまいます。
ただし、業者の事務所へ無理に連れて行かれて契約を交わした場合には「契約意志がない」と考えられ、クーリングオフが適用できる可能性があります。
また、訪問販売や電話勧誘で契約した場合は、契約者の意志に関係なく訪問や電話をしているため、クーリングオフが適用される可能性が極めて高くなります。
クーリングオフはあくまで契約者、消費者が不利な契約を結ばされた時に、救済してくれるシステムです。
そのため、このような契約時の状況も重要になります。
個人として契約している
契約者が個人であるか、法人であるかも重要なポイントです。
基本的にクーリングが適用されるのは、個人で契約を結んだ場合です。
ただし、法人として契約した場合であっても、営業取引が目的での契約でなければ、クーリングオフが適用される可能性があります。
基本的に個人で契約をする場面が多いとは思いますが、法人で契約することも場面としては考えれらるため、覚えておきましょう。
クーリングオフが適用されない場合
では、クーリングオフが適用できない場合についても確認をしましょう。
上記3つに当てはまっていても、下記のような場合にはクーリングオフの適用外になることがあります。
- 契約者の意志で業者を呼んで契約した
- 契約者の意志で業者の事務所に行って契約した
- 3000円未満の現金で取引した
- 過去1年の間にその業者と取引したことがある
- 海外で契約を交わした
- クーリングオフの期間を過ぎてしまった
このような状況の場合は、クーリングオフの適用は難しくなります。
クーリングオフはあくまで契約者、消費者が無理に契約を迫られて契約してしまった、といった状況の場合に助けとなる制度です。
契約者の都合で契約を勝手に解除できてしまっては、業者も不利益を受けてしまいます。
適用できない条件もしっかりと確認した上で、契約は慎重に行っていきましょう。
クーリングオフの内容について
こちらでは、クーリングオフの内容について詳しく見ていきましょう。
契約の解除
まずは契約の解除です。
クーリングオフをした時点で契約は「なかったもの」となります。
契約は強制的に解除となるため、契約者が契約時の責任を負うことは一切なくなります。
代金返還義務
申し込みや契約の時点で何らかの金銭を支払っていた場合は、業者は代金の変換をする義務が発生します。
お金もしっかりと返ってきますので、安心してください。
原状回復を業者に求めることができる
もし契約から直ぐに工事が始まっている場合、無料で修理する前の状態、原状回復を業者に求めることができます。
工事が始まっていてはクーリングオフはできないと思っている方もいらっしゃいますが、工事の開始はクーリングオフの条件に関わりませんので、こちらも安心してください。
損賠賠償・違約金等の支払い請求がなくなる
契約書にキャンセル料や損害賠償、違約金等の記載があった場合でも、支払う必要はありません。業者側も一切請求はできません。
違約金などをちらつかせてくる場合もありますが、しっかりと救済をしてくれます。
クーリングオフで注意すべき契約方法
では、こちらではクーリングオフで良く取り上げられる契約方法についてまとめます。
詐欺に近いようなこともあるため、充分に注意しましょう。
訪問販売
訪問販売は屋根修理の中でも詐欺が多い販売方法の1つです。
「屋根板がズレています。」
「屋根板が剥がれて落ちそうです。」
と口実を作って、屋根に登って点検をしようとしてきます。
屋根に上らせてしまうと、「放っておくと雨漏りしてしまう。」「修理しないといけない。」とさらに不安を煽って契約を迫ります。
この場合、契約者が自分の意志で事務所に行っているわけではありませんので、クーリングオフが適用される可能性が高くなります。
また、優良企業は基本的に訪問販売を行いません。
もし訪問販売で修理を進められたときには、その場で判断せずに名刺や会社名をとっておき、きちんと調べてから判断しましょう。
チラシ広告
チラシ広告は、クーリングオフが適用されない可能性が高い販売方法です。
これは、「自分の意志で業者を呼んだ」と判断されるためです。
チラシ広告の場合は、かなり安い値段が載っていることも多く、直ぐに契約してしまいたいという気持ちも出てきます。
しかし、まずはしっかりと相談をして、インターネット等で情報を集めてから契約へ進むようにしましょう。
説明会・セミナー
修理業者の中には、説明会やセミナーで顧客を集めている場合もあります。
しかし、インターネット等で見つけた説明会やセミナーに申し込んで参加したあと契約した場合には、クーリングオフの適用外となる可能性があります。
これも、「契約者の意志」があると判断をされる可能性が高いです。
クーリングオフの流れ
では、実際にクーリングオフの流れについて説明をしていきます。
クーリングオフができる契約かどうか確認する
まずは、交わした契約書や申込書を用意して、クーリングオフについての記載がある部分を確認してみましょう。
クーリングオフの説明がきちんと書かれていて、期限(契約から8日以内)を過ぎていなければ、クーリングオフが適用できる可能性があります。。
もし期限が過ぎている場合でも、書面にクーリングオフの記載が何もなければ適用される場合があります。
クーリングオフの通知書を業者へ送付する
クーリングオフの適用条件を満たしていた場合、業者へ通知書を送付します。
内容は、クーリングオフをしたいという意志を伝えるための情報を記載します。
- 表題(「通知書」または「契約解除通知」)
- 契約書を受け取った日付
- 契約した業者の会社名
- 担当者の名前
- 工事の名前
- 工事金額
- クレジット会社名
- 契約を解除したい旨の文言
- 送付日
- 住所、氏名
上記を記載して、業者へ郵送をします。
万が一の場合に備えて、コピーを取っておくとよいでしょう。
また、郵送の際には「簡易書留」を使ってハガキを送ると、業者がはがきを受け取った日付がわかるため、重要な証拠となります。
また、「内容証明郵便+配達証明郵便」という手段もより確実な方法ですが、手間や費用が掛かるため、「簡易書留」でも充分であると思います。
通知書が届いたら業者に連絡をする
簡易書留はインターネット上で、いつ届けられたかを調べることができます。
業者が通知書に気づけば連絡があるかもしれませんが、もし連絡が来なければこちらから連絡を取りましょう。
この場合は、業者によってはクーリングオフを拒否してくる場合があります。
その際にはしっかりと契約を解除する意志を伝え、言いくるめられないよう、毅然とした態度で対応することが重要です。
既に着工している場合には工事を中止する
もし工事が始まっている場合は、一度工事を中止してもらいましょう。
そして、工事期間中にクーリングオフが適用された場合には、屋根を工事前の状態に戻す義務が業者側に発生します。
まずは、一度中止してもらい、状況を見て元に戻す工事を再度依頼しましょう。
判断が難しい・トラブルで悩んだときは国民生活センター
もしクーリングオフをしたいけれども、条件に当てはまっているかがわからない、業者とのトラブルに巻き込まれている。
このような場合は、国民生活センターに連絡するのも1つの手です。
消費者側が一方的に弱い立場となってしまい、なかなか解決しないこともあると思います。
その場合に第三者的にアドバイスがもらえる期間が国民生活センターです。
クーリングオフは適用できる条件、できない条件がありますが、例外も存在します。
そのため、適用条件から外れているからと諦めるのではなく、一度相談をしてアドバイスをもらうことも重要です。
まとめ
今回は、クーリングオフについて詳しく説明をしてきました。
クーリングオフは消費者や契約者を守るために、非常に重要な制度です。
もちろん、クーリングオフ制度を使わずに綺麗に修理ができることが一番ですが、万が一のこともあるため、このような制度はしっかりと頭に入れておきましょう。
困ったときには一人で抱え込まず、周りの方や国の機関に相談をして、少しでも解決する方に向かっていきましょう!
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