屋根の修理を検討している時に、一番不安になる点はどれくらい費用がかかるか?というところであると思います。
屋根の修理は簡単なものから、足場を組んで屋根全体を補修するものまで幅広くあり、大がかりなものになると、数百万円の金額が掛かる場合もあります。
そのため、工事の相場観は非常に気になるところです。 そこで今回こちらの記事では、屋根修理の相場を細かい工法を含めて詳しく説明をしていきます。
これから屋根修理の検討をしている方は、ぜひ参考にしてみてください。
紹介する相場はあくまで参考値であるため、実際の金額は複数の修理業者から見積もりをとった上で判断をしてください。
Contents
屋根修理は部分修理とリフォームの2種類

屋根修理は大きく分けると2つ方法があり、部分修理とリフォーム修理、それぞれで費用や工事の方法が異なります。
こちらについて詳しく解説をしていきましょう。
屋根の部分修理
最小限の費用で屋根を修理したい人は、部分修理を選択しましょう。これは台風や地震で屋根が剥がれてしまったときの応急処置や屋根の一部差し換えなどが該当します。
比較的安価で対応ができる一方で、応急処置であるため、長期的にみると再度修理が必要になる可能性があります。
リフォーム
最小限の費用で屋根を修理したい人は、部分修理を選択しましょう。これは台風や地震で屋根が剥がれてしまったときの応急処置や屋根の一部差し換えなどが該当します。
比較的安価で対応ができる一方で、応急処置であるため、長期的にみると再度修理が必要になる可能性があります。
屋根修理の費用の目安

それでは、屋根修理の費用について部分修理とリフォームそれぞれでどの程度費用が掛かるのかを見ていきましょう。
細かく情報は乗せておりますが、こちらに載っていない工法もあると思いますので、1つの参考としてください。
部分修理の費用相場
工事内容 | 工事相場 |
DIYで修理 | 3千~5千円 |
コーキング補修 | 2万~6万円 |
テープ補修 | 2万~4万円 |
ブルーシート補修 | 2万~8万円 |
屋根の差し替え | 4万~20万円 |
棟板金の交換 | 4万~15万円 |
部分的な瓦の交換 | 3千~5万円 |
瓦の葺き直し | 20万~50万円 |
瓦の漆喰詰め | 4万~20万円 |
漆喰の補修 | 3万~10万円 |
棟瓦の積み直し | 4万~15万円 |
谷樋板金の交換 | 5万~20万円 |
雨どいの部分補修 | 2万~8万円 |
雨どいの全部交換 | 18万~30万円 |
軒天の部分交換 | 2万~8万円 |
破風板板金巻き | 15万~30万円 |
雪止めの設置 | 3万~50万円 |
雨漏りの補修 | 5万~30万円 |
リフォームの費用相場
工事内容 | 工事相場 |
屋根塗装 | 15万~25万円 |
屋根カバー工法 | 90万~110万円 |
屋根葺き替え | 100万~140万円 |
屋根葺き替え(石綿入り) | 130万~170万円 |
屋根葺き替え(土葺き) | 160万~200万円 |
屋根修理の足場費用

こちらでは、屋根修理の際に設置する足場の設置費用について解説をしていきます、
屋根の修理やリフォームを行う際は、ほとんどの場合、足場を組んでから作業を行います。
これは厚生労働省が策定した安全基準法にも記載されており、高さ2m以上の場所で墜落の危険がある作業を行う場合は、安全帯の装着と作業床(足場)を設け無ければならないとされております。
足場の設定が困難な場所や高所作業者を使う場合は、足場を設置しないこともありますが、基本的には足場を設置して作業するものと思っておきましょう。
足場にはいくつかの種類があり、「クサビ足場(ビケ)」「パイプ(単管)足場」「単管ブラケット足場」の3種類が主です。
「クサビ足場」はハンマー1つで組み立てから解体までができる点が特徴です。
「パイプ足場」は2本のパイプの上に足を乗せて作業をします。
「単管ブラケット足場」はブランケットと呼ばれる金属を使用するものを指しています。
それぞれ多少の違いはありますが、作業員の動きやすさや現場に合わせて足場は設置されます。
それぞれの相場は以下のようになっています。
足場種別 | 単価(1㎡) |
単管足場 | 600~800円 |
単管ブラケット足場 | 800~1,000円 |
クサビ式(ビケ)足場 | 1,000~1,200円 |
足場の費用は、一般的に1㎡あたり600~1,500円程度が相場となっています。
では、自宅が実際にどれくらいの費用が掛かるのかは、自宅の外周から算出することができます。
計算式で表すと、
- 足場架面積 = (建物の外周(m) + 8m) × 家の高さ(m)
- 足場にかかる費用 = 足場架面積 × 平米単価 (600~1,000円)
家の高さの目安は、1階建て=3.5m、2階建て=6m、3階建て=8.5mです。
こちらでおおよその金額が算出出来ますので、参考にしてみてください。
屋根修理の塗料

屋根修理の塗装に関しても解説をしていきます。
屋根塗装工事の費用相場は、一般的な2階建て住宅の場合で15~25万円です。
ただし、塗料の種類によっては値段が変わってきます。
一般的に良く使用されているのは、シリコン塗料やフッ素塗料と呼ばれるものです。
塗料は屋根の種類や好みが反映されるところですので、施工業者と相談しながら決定しましょう。
シリコン塗料
シリコン塗料は、シリコンが主成分で、費用と耐久性のバランスに優れている、最もスタンダードな塗料の1つです。
仕上がりに光沢感があり、汚れに強く耐久力も高い特徴があります。
またカビ等の菌類にも強く、コストパフォーマンスに優れています。
費用相場は、1㎡あたり2,000~3,500円前後で、耐用年数は5~8年ほどです。
ただし、シリコン塗料の中でも商品によって特徴があるため、どのシリコン塗料を選ぶかは相談して決定した方が良いでしょう。
フッ素塗料
フッ素塗料は蛍石を原料として、フッ素樹脂を混ぜ合わせた塗料です。
汚れをはじきやすく、耐久性が高い塗料で、ここで紹介している塗料よりも高いグレードの塗料です。
費用相場は、1㎡あたり4,000~5,000円前後で、耐用年数は7~10年程です。
多少高額にはなりますが、メンテナンスの手間が省けるため、長期的に見るとコストパフォーマンスには優れている塗料です。
ウレタン塗料
ウレタン塗料は、ポリウレタンが主成分で、種類が多く比較的安価な塗料です。
ひび割れが起きにくく、施工費用の安さ、密着性の良さと柔軟性に優れています。
費用相場は、1㎡あたり1,500〜2,200円で、耐用年数は3~5年ほどです。
屋根修理の葺き替え

屋根の葺き替えは、現在の屋根を撤去し、丸ごと取り替える工法です。
屋根の下地から表面まで丸ごと取り替えるため、大がかりな工事となることがほとんどです。
屋根材が長年の使用で劣化してしまった場合や、台風などの被害を受けてしまったときに多く用いられます。
修理費用は使用する材料によって異なりますが、場合によっては100万円を超える金額になることもあります。
では、屋根修理で掛かる費用の内訳について見ていきましょう。
足場費用
屋根の葺き替えの場合は、ほとんどの状況で足場の設置が必要となります。
足場費用の概算は、先ほど記載していますが、1㎡あたり600~1,500円です。
2階建ての一軒家であれば、おおよそ20万円ほどを見積もっておきましょう。
既存の屋根撤去
屋根の張り替え前に、屋根の撤去を行います。
屋根材の種類にもよりますが、1㎡あたり2000円~3500円ほどです。
瓦屋根であれば、費用や日数も掛かる傾向にあります。
下地補修
屋根の撤去が終われば、下地の補修が必要です。
この下地が劣化してしまうと屋根の補修が必要になるため、非常に重要な部分です。
費用相場は、1㎡あたり2,000円~3,000円ほどです。
ルーフィング施工費用
ルーフィングとは、屋根本体の下に敷く、防水シートを示しています。
ルーフィングはアマ持ちを防止するために必要な部分ですので、こちらも重要な作業となります。
費用相場は、1㎡あたり700円〜1,200円ほどです。
新しい屋根材の施工費用
屋根材には様々な種類があり、スレート(カラーベスト・コロニアル)、瓦(セメント瓦、日本瓦)、ガルバリウム鋼板があげられます。
それぞれ費用は異なりますが、どの屋根材であっても1㎡あたり5,000〜15,000円ほどの金額帯です。
アスベスト処分費用
もしも、自宅の屋根材にアスベストが使用されている場合は専門業者に処分を依頼する必要があります。
現在ではかなり少なくなってきましたが、古い屋根を修復する場合にはまだアスベストが使われている可能性があります。
専門業者に依頼するため、費用は1㎡あたり20,000~85,000円と少し高額になります。
工事種別 | 単価(1㎡) |
足場費用 | 600~1,500円 |
既存の屋根撤去 | 2,000~3,500円 |
下地補修 | 2,000~3,000円 |
ルーフィング施工 |
700~1,200円 |
新しい屋根材の施工 | 5,000〜15,000円 |
アスベスト処分 |
20,000~85,000円 |
屋根修理のカバー工法
カバー工法は、既存の屋根の上に防水シートと新しい屋根材を重ねる方法です。
主にスレート(カラーベスト・コロニアル)や軽量金属屋根で行う工法です。
一般的には、スレート屋根の上にガルバリウム鋼板の屋根を重ねるケースが多いです。
カバー工法は葺き替え工事と比較すると、既存屋根の撤去や下地補修、ルーフィング施工等の工事が無い分金額を抑えることが可能です。
カバー工法の費用の内訳については、以下を参考にしてください。
修理内容 | 単価(1㎡) |
足場 | 600~1,500円 |
新しい屋根材の施工 | 5,000〜15,000円 |
ルーフィング施工 |
700~1,200円 |
ケラバ・軒・棟板金 | 3,000円~11,000円 |
屋根修理の瓦部分補修
瓦の部分補修の費用相場は、1枚当たり3,000~5,000円ほどです。
瓦の部分補修は、以下のような状況で行われます。
瓦のずれ
台風の強い風や地震の揺れによって瓦がズレて破損してしまう場合があります。
そのずれから、雨水が侵入して腐食や雨漏りの原因となる場合があります。
瓦のひび割れ
瓦は経年劣化により、傷んでくるとひび割れが起こることがあります。
また、何か屋根に衝撃が加わって、ひび割れとなるケースもあります。
ひび割れは雨漏りの原因となるため、瓦の交換や下地補修を行い、塗装工事で防水を行います。
漆喰の剥がれ
瓦のつなぎ目を漆喰で繋いでいる場合、漆喰の剥がれによるずれが生じることがあります。
雨風の影響を受けやすい部分であるため、台風が多い地域の方は気にしておきましょう。
漆喰の補修に関しては、次章でも説明します。
屋根修理の漆喰補修
棟板金は、屋根のてっぺん部分にある、面と面が接する山状になっている部分を指します。
この場所は、台風や雨風による飛来物や、年数経過により劣化が進みやすい場所です。
棟板金は基本的に釘で打ち付けられていますが、年数が経過するとゆるみが生じます。
釘が抜けてしまうと、棟板金自体が剥がれたりして雨漏りの原因になるため定期的に点検をしたい場所です。
棟板金の修理費用は、交換のみであれば1㎡あたり7,000〜1万円ほどです。
また、棟板金と同時に内部の貫板を交換する場合は、さらに費用が加算されます。
貫板の工事相場は、1㎡あたり5,000〜1万円ほどです。
屋根修理の雨どい交換
屋根についている雨どいも修理をすることができます。
雨どいは雨の際に軒先、軒裏を守り腐食を防いでくれます。
しかし、雨どいはゴミがたまって詰まってしまったり、ひび割れやサビが発生しやすい場所です。
多少のつまりや、曲がってしまったといった場合は、DIYで修理出来ますが、全体がサビて今にも壊れそうな場合は交換をおススメします。
修理方法としては、既存の雨どいをすべてを撤去して新しいものと交換する、もしくは破損した場所を交換する、交換せずに補修する方法があります。
交換・修理は、1mあたり3,000~5,000円ほどです。
継手の補修(1ヶ所)は、5,000〜2万円ほどです。
まとめ
今回は、屋根修理に掛かる費用について、それぞれの工事ごとに細かく解説をしてきました。
屋根修理は高額になることが多いため、費用が何にどれくらいかかるのかを把握しておくことは非常に重要です。
また、業者の中には詐欺業者も残念ながら存在していますので、明らかに相場よりも高い値段で提示してきたときに、金額がおかしいと判断できる情報を持っておきましょう。
工事が大がかりになることが多いため、慎重に業者選びをして、納得のいく金額で工事してもらうようにしましょう。
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