屋根材として人気のガルバリウム鋼板について詳しく紹介!修理費用やメリット・デメリットを解説

ガルバリウム鋼板屋根

これまで屋根材は、トタン屋根や瓦屋根が主流でした。
これらの屋根材にはそれぞれメリットがあり、今でも多くの住宅で使用されています。
その中で、近年ガルバリウム鋼板と呼ばれる屋根材が、多く使われれうようになってきました。
「ガルバリウム鋼板とは何か?」
「最新の屋根材は高い素材じゃないか?」 まだなじみのない素材ですので、様々な疑問を持つ方もいらっしゃるでしょう。
そこで、こちらの記事ではこのガルバリウム鋼板について、その特徴や費用などを詳しく解説していきます。 これから屋根修理を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

ガルバリウム鋼板とは?

ガルバリウム鋼板屋根

ガルバリウム鋼板とは、ガルバリウムという合金でメッキされた鋼板を指します。
1972年にアメリカで開発されました。
正式名称は「55%アルミ・亜鉛合金メッキ鋼板」です。
メッキとは、金属の膜(まく)のことで、電気や熱の力で鉄などの金属にメッキの膜を被せます。
金メッキなどといった言葉で、聞いたこともある人も多いことでしょう。
このメッキは、金属の腐食を守るための膜で、ガルバリウム鋼板もこのメッキに守られています。
ガルバリウム鋼板の中心部は鉄(鋼板)で出来ており、厚みは0.35~0.8mm程度の非常に薄い作りをしています。
ガルバリウムのメッキで鉄の鋼板が覆われているため、「ガルバリウム鋼板」とよばれます。

ガルバリウム鋼板の特徴とは?

ガルバリウム鋼板の家

では、ガルバリウム鋼板の特徴についてまとめていきましょう。

ガルバリウム鋼板の耐久性

ガルバリウム鋼板の耐用年数はおよそ25年から35年です。
これは、通常の金属屋根と比べてかなり長い期間の耐久性があります。
さらに、サビが発生して穴が開いてしまうことがなければ、40年以上問題なく使用することもできるようです。
この耐久性が、ガルバリウム鋼板の最も大きな特徴です。

断熱材一体型の商品がある

ガルバリウム鋼板は、厚みが0.35mm~0.5mm程度であるため、薄くて軽い反面、断熱性と遮音性が高くありません。
例えば、トタン屋根も同じように薄くて軽い素材ですが、雨音や熱のこもりやすさから敬遠されることがありました。
しかし、現在のガルバリウム鋼板は、断熱材を鋼板に貼り付けた「断熱材一体型」の製品が登場しています。
そのため、断熱性や遮音性が大幅に改善されました。
特に断熱性の効果は高く、業界内の断熱材と比較しても引けを全くとりません。
そのため、これまでの金属屋根のデメリットを解決できる商品となりました。
もちろん、何もない鋼板だけのガルバリウム鋼板に比べると、断熱材一体型はコストがかかります。
断熱材一体型にすると、屋根と外壁を含め一軒あたり30〜40万円程度のコストが増加します。
多少金額は大きくなりますが、騒音や暑さを考慮すると、断熱材一体型の商品がおススメです。

ガルバリウム鋼板のメリット

メリット

では、ガルバリウム鋼板のメリットについて解説をしていきます。

耐久性に優れている

まずは、なんといってもその耐久性です。
ガルバリウム鋼板の耐久性は25年~30年は問題なく使用することができ、正しくメンテナンスを行えば40年以上の耐久性があります。
ガルバリウム鋼板は1982年には商用清算が始まっているため、実績も充分です。
他の屋根材と比較しても、トタン屋根であれば10年前後、アスファルトシングルやスレート屋根でも20〜30年の耐久性ですので、かなり耐久性には優れていると言えます。

耐震性に優れている

続いては、耐震性についてです。
ガルバリウム鋼板はとても軽い素材であるため、耐震性にも優れています。
地震の際、自宅の揺れは屋根の重さが重いほど、揺れが大きくなり、屋根が軽いほど揺れは小さくなります。
そのため、屋根が重い瓦屋根などは、売れの大きさで住宅に負担が掛かってしまい、場合によっては倒壊に繋がる損傷を負ってしまいます。
そのため、重量の軽いガルバリウム鋼板は耐震性にも優れた屋根材です。
ちなみに、外壁としてもガルバリウム鋼板は優秀で、よく使われているモルタル外壁の1/10、窯業サイディングの1/4の重さです。

断熱性に優れている

先ほども少し触れましたが、断熱性にも優れた屋根材です。
断熱性一体型のガルバリウム鋼板に限りますが、この断熱性は、他の建材と比較しても優れた性能を持っています。
断熱性を表す数値の一つに熱貫流率がというものがありますが、この熱貫流率は瓦屋根やスレート屋根と比較しても良い数値となっています。

遮音性に優れている

断熱材一体型のガルバリウム鋼板は、遮音性も優れています。
そのため、雨音などの騒音をシャットダウンすることができます。
例えばトタン屋根は、雨音の騒音でストレスを抱えているといった相談がありますが、ガルバリウム鋼板での騒音に関する相談はほとんどありません。
雨音だけでなく、騒音に悩まされている方も検討してみてもいいかもしれません。

修理にかかる時間を抑えることができる

近年では地球温暖化などの影響を受け台風被害が年々増えており、今後も増加傾向にあると予想されています。
台風が発生すると、住宅の屋根は大きな被害を受ける可能性があります。
被害を受けた時は、なるべく短期間で修理を済ませたいところですが、被害が周囲一帯に広がっている場合、直ぐに修理できない可能性もあります。
そこで、手早く修理が可能で、修理の時間を抑えることができるのがガルバリウム鋼板です。
ガルバリウム鋼板は上記でも記載しましたが、軽量であるため、短時間で張替えることが可能です。
これは業者の負担を減らすこともありますが、期間を減らすことで工事料金を抑え、日常生活での工事による騒音やストレスも軽減できます。
修理時間を短くできることは、業者にとっても住人にとってもメリットが大きいことです。

ガルバリウム鋼板のデメリット

デメリット

では、ガルバリウム鋼板の一方でデメリットについて解説をしていきます。

コストが比較的高い

ガルバリウム鋼板など金属建材は、スレートなど他の屋根材と比較すると、若干施工価格が高いです。
スレート屋根と比較すると、以下のようになります。

 屋根材の種類 施工単価
スレート屋根
3,000円/㎡~4,500円/㎡
ガルバリウム鋼板(断熱材なし)
5,500円/㎡~9,000円/㎡
ガルバリウム鋼板(断熱材入り) 6,500円/㎡~10,000円/㎡

もし新築工事で断熱材入りのガルバリウム鋼板で仕上げる場合、スレート屋根と比較すると40万円から60万円程度のコストが掛かります。
ただし、こちらは施工した時点での金額ですので、施工後のメンテナンス等を考えると、コストパフォーマンスではガルバリウム鋼板の方に分があるとも言えます。

デザインがシンプル

ガルバリウム鋼板はそのデザインがシンプルであるため、もしかすると見た目に物足りなさを感じてしまうかもしれません。
特に外壁で使用する場合は、窯業サイディング等の方がデザイン性は高いです。
シンプルなデザインを好む方も多くいらっしゃいますが、もしデザイン性の高いものを求めている場合は、デメリットとなってしまいます。

周囲の環境の影響を受けやすい

ガルバリウム鋼板は沿岸地域の潮風や工場の排気ガスを受けやすい素材です。
潮風や排気ガスがガルバリウム鋼板に触れると、電食を起こしサビの原因となります。
そのため、海沿いの地域の方や工場が近くにある方は、メンテナンスをこまめに行う必要があります。
メンテナンスをしっかり行えば、何十年も利用することができる屋根材ですので、10年に1度程度はメンテナンスを行いましょう。

ガルバリウム鋼板の費用相場

業者の費用提示

ここでは既存のガルバリウム鋼板を交換する場合にかかる費用相場を紹介していきます。

施工費用の相場

ガルバリウム鋼板の屋根材は、平米あたり約3,000円〜約10,000円が費用相場です。
そのため、平均的な30坪程度の住宅の場合にかかる施工費用は約70万円〜約150万円程です。
また、屋根工事には葺き替え工事とカバー工法の2種類の工法があり、費用相場は、葺き替え工事が約100万円〜約150万円、カバー工法の場合には約70万円〜約120万円となっています。

 工法 施工単価(30坪程の住宅)
葺き替え工事
約100万円〜約150万円
カバー工法 約70万円〜約120万円

ガルバリウム鋼板への交換相場

こちらでは、既存の屋根材からガルバリウム鋼板へ交換したときの費用相場について解説をしていきます。
屋根材によってカバー工法で対応できるもの、葺き替えでしか対応ができないものもありますので、注意してください。

瓦屋根からガルバリウム鋼板

瓦屋根からガルバリウム屋根に交換する場合の費用相場は約150万円〜約200万円程度が一般的とされています。
瓦屋根から交換する場合は、葺き替え工事のみです。
また、屋根の撤去処分や、下地補修、防水工事などさまざまな工事が絡むため、費用が高めになります。

 工法 施工単価(30坪程の住宅)
葺き替え工事
約150万円〜約200万円

スレート屋根からガルバリウム鋼板

スレート屋根からの交換は、工事費用の相場は約100万円〜約200万円が一般的な相場です。スレート屋根ではカバー工法を使用することができるため、費用を抑えたい場合は、カバー工法を選択することも可能です。
ただし、カバー工法は下地の補修が難しいため、傷みがひどい場合には葺き替え工事を行った方がよいでしょう。
こちらは、修理業者としっかり打合せをした上で決定していきましょう。

 工法 施工単価(30坪程の住宅)
カバー工法 約100万円〜約120万円
葺き替え工事 約150万円〜約200万円

トタン屋根からガルバリウム鋼板

トタン屋根からの交換は、約80万円〜約150万円が一般的な相場です。
トタン屋根は再利用することがあるため、屋根材の撤去処分費用が安くなります。
またスレート屋根同様にカバー工法を使用することができるため、費用を抑えて屋根工事が可能です。
ただし、野地板などの下地材に損傷がある場合は、カバー工法が使用できないケースもあります。

 工法 施工単価(30坪程の住宅)
カバー工法 約80万円〜約100万円
葺き替え工事 約120万円〜約150万円

まとめ

今回は、屋根材として近年人気の高まっているガルバリウム鋼板についてまとめてきました。
ガルバリウム鋼板は、費用こそ若干高めですが、耐久性や断熱性など優れたところも多々あり、総合的にみるとコストパフォーマンスの高い屋根材であると考えられます。
特にこれからは台風などの自然災害も増えると予想されていますので、この時期に屋根のメンテナンスや葺き替えを検討してみてはいかがでしょうか。
不明な点や気になる点は、ぜひ屋根修理業者に相談をしてみましょう!

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